ベクトル空間
ベクトルを「足し算」したり「スカラー(実数など)倍」したりできる、特定のルールを満たす集合のこと。このルールのおかげで、幾何学的な直感をデータや関数など様々な対象に広げて考えることができる。
構成要素
ベクトル (Vector)
主役となる要素。
例:平面上の矢印、(x, y, z) のような数の組、多項式、関数など。
スカラー (Scalar)
ベクトルを伸縮させるための「数」。
通常は実数または複素数が使われる。
守るべき基本ルール(公理)
ベクトル空間は、以下の性質を持つ「閉じた」世界である。
演算で閉じている
空間内のどのベクトルを持ってきて足し算・スカラー倍しても、結果は必ずその空間の中に収まる。
和(足し算)に関するルール
交換できる: v + w = w + v
足す順番は自由: (u + v) + w = u + (v + w)
ゼロベクトル 0 が存在する: v + 0 = v
逆元 -v が存在する: v + (-v) = 0
スカラー倍に関するルール
分配法則が成り立つ: c(v + w) = cv + cw
スカラー 1 は何も変えない: 1v = v