サイバネティクス
サイバネティクスとは、通信と制御を、動物(生物)と機械の区別なく、共通のシステムとして探求する学問。
簡単に言えば、生物も機械も「目的を達成するために、どのように情報をやり取りし、自分をコントロールしているのか?」という仕組みを解明し、応用しようとする考え方です。
主要なポイント
フィードバック: サイバネティクスの中核となる考え方です。出力された結果(情報)を元に、次の行動を修正・調整する仕組みを指します。例えば、部屋の温度を一定に保つエアコンは、室温センサーからのフィードバックを受けて自動で運転を調整します。これは、人間が熱いと感じたら汗をかいて体温を調節するのと同じ仕組みと捉えます。
情報と通信: システムが自己を制御するためには、外部や内部の状態を「情報」として受け取り、それを処理し、次の行動を決定するための「通信」が不可欠です。
学際的な分野: この考え方は、工学、生物学、心理学、社会学、経済学など、非常に幅広い分野に影響を与えました。AI(人工知能)やロボット工学の基礎にもなっています。
具体例
自動操縦システム: 飛行機やロケットが、センサーからの情報(位置、速度、傾きなど)を元に、自動で舵やエンジンを制御して目的地に向かう。
人間の身体: 私たちが自転車に乗るとき、無意識に体の傾きやハンドルの角度を微調整し続けます。これも一種のフィードバック制御です。
企業の経営: 市場の反応(売上データなど)をフィードバックとして受け取り、次の生産計画や販売戦略を調整する。
サイバネティクスは、これら一見異なる事象の裏にある、共通の「情報と制御のパターン」を見つけ出そうとする学問と言えます。
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