EOS R10のコスパよくないか?
本当だからだ!!!!! (挨拶)
カメラの話をする。
CanonのAPS-Cカメラ、特にEOS R10のコスパが今めっちゃいいんじゃないか? 買っちゃえばいいんじゃないか?
というのがこの記事の主張だ。
EOS R10はどのような位置付けのカメラか
Canonのミラーレスカメラの現行機種にはそれぞれEOS Rxという機種名が付いており、xの部分の数字が小さいほど、より上級者向けの高機能で高価な機種となっている。
フルサイズセンサーを搭載する現行機種にはR1, R3, R5 mark ii, R6 mark ii, R8があるが、比較的下位に位置づけられているR6 mark iiでも新品だと30万円弱する。
R8の方は約22万円ほどの実勢価格だが、個人的にはこちらは操作系がプアなのと、値段の割にボディ内手ブレ補正がないことなどから、よっぽどコンパクトさや軽さに重きを置かない限りは薦めづらい機種だと思っている。
ここでAPS-Cセンサー機種に目を向けると、ラインナップとしてはR7, R10, R50, R100がある。
フルサイズ機種と同様に数字が小さいほど高機能なモデルで、R7は3000万画素以上の高画素機かつボディ内手ブレ補正も搭載しているが、実勢価格は約17万円とフルサイズ機に近い価格感である。
続くR10は実勢価格で約11万弱、R50になるとボディのみで10万を切る。
なお、R100はとにかくコストカット優先で失くしてはいけない可動液晶・タッチ機能すら省いてしまったクソ機種なので、値段に釣られて買ってしまうとひどい目に遭う。絶対に買ってはいけない。
<ここに機種ラインナップのピラミッド的なものを置く>
ところで、初めてカメラを買おうと思った人にとって、なかなか10万以上の金額を出すことは難しいのではないだろうか?
だって、すぐに飽きてしまうかもしれないし、扱いが分からないから壊してしまうかもしれないし。
しかも、レンズ交換式カメラというものは、カメラ本体以外にレンズもお金を出して買わなければいけないのだ。
そういう意味では、ここまで並べてきた機種の中で、値段的にギリ買う気が起きて、それでいて比較的まともな機能を有しているのはR10, R50の2機種ということになる。
そういうことにしておく。
EOS R10とR50の違いは何か
EOS R10とR50は、実は性能的にはほぼ同等とも言ってもいい。
積んでいるイメージセンサーは同じ。オートフォーカスの性能も同じ。
ちなみに、オートフォーカスにおける被写体認識機能は、上位機種のR3(60万以上する奴)譲りのアルゴリズムを積んでいるので、正直このクラスとしては異常と言ってもいいレベルの働きをしている。
ボディの重さはR10がバッテリー等込みで429g、R50が376gなので少しだけR50の方が軽いが、どちらもAPS-Cセンサーを積んだレンズ交換式カメラとしてはかなり軽量な部類だ。
よく見れば細かい動画機能や連写スペックの違いはあるが、正直これからカメラを始めようと思っている人にとっては些細なことだと思われる。
じゃあ何によって約1万円程度の価格差が発生しているのか。
答えは操作系の物理インターフェイスである。
EOS R10は、まず搭載されているダイヤルが1つ多い。
さらに、親指でぐりぐり動かせるNINTENDO 64みたいなマルチコントローラーが搭載されている。これがデカい。
tondol的に推しているCanon独自の撮影モード「Fv」が使えるのもR10だけだ。
これらの操作性の違いが何に影響するかというと、いざ本格的に撮影をしてみようと思ったときの自由度の高さに効いてくる。
カメラをM(マニュアル)モードにすると思い通りの写真を撮るためにF値・シャッタースピード・ISO感度の3つのパラメータを自分で設定する必要があるが、ダイヤルが多ければこれらのパラメータをよりスピーディーに変更できる。
また、マルチコントローラーがあると、オートフォーカスの対象ポイントを決めるのに液晶をタッチすることなく、親指での直感的な操作で済ませることができる。
前述したように、EOS R10とR50はほぼ同等の性能であり、特にオートフォーカス機能は価格にそぐわない高性能なものを積んでいる。
ゆえに、正直R50も全然悪くない選択肢である。
しかしながら、今後本格的にカメラでの撮影を楽しみたいという気概があるのであれば、個人的には、今後も操作面で苦しむ可能性が少ないR10の方を推したい。
他メーカーと比較したときのメリデメ
ここまで読んでいただいた方には、Canonのミラーレスカメラの中ならR10のコスパがいいということはある程度伝わったと思うが、じゃあ他のメーカーの現行機種と比べたときにどうなのか。
SONY
SONYならばEVF(ファインダー)のあるAPS-C機で言うとα6700, α6400が現行機の候補となるが、α6700は上位機種で約18万の価格帯なので今回の候補からは外れる。
α6400は価格的にはR10, R50と競合するのだが、発売年が2019年でさすがに型落ち感がある。
細かいスペックを取ってみてもR10, R50の方が勝る部分が多いため、積極的に狙いに行く機種ではないというのが個人的な意見だ。
ただ、CanonとSONYで圧倒的に異なるのはレンズのラインナップだ。
SONYはEマウント対応のAPS-C・フルサイズ向けレンズが豊富にあり、しかもサードパーティレンズの選択肢も多い。
この1点だけで、少し前ならSONYの方がトータルでお財布に優しく、選択肢としてもお薦めできると「思っていた」。
しかし、ここ数ヶ月でCanonのRFマウントもサードパーティレンズの発売が解禁されており、かなり状況が変わってきている。
詳しくは後述する。
Nikon
Nikonは正直手強い。
Zfcはボディの見た目で惹かれてしまった人には正直他の選択肢は目に入らないんじゃないかというほどルックス面で魅力的な機種だし、Z50 iiもつい最近発表されて、全部入りとも言えるスペックが話題になっている。
とはいえ、オートフォーカスや被写体認識性能、そしてレンズラインナップについてもCanonの現行機種ならば十分に戦えるのではないかと思っているところだ。
FUJIFILM
APS-C機としてはFUJIFILMも候補に上がるだろう。
FUJI機は何よりもフィルムエミュレーション機能に魅力がある。
エモい写真を手軽に撮りたいなら、それだけでもFUJI機を選ぶ理由になる。
機種としてはX-T30 iiやX-T50, X-S20が対抗になると思われるが、実勢価格としてはR10, R50などよりも15万円以上でワンランク上の数字になってしまっている印象だ。
宗教戦争にもなりそうなので、SONY, Nikon, FUJIFILMとそれぞれ魅力的な面はありつつも、Canon機の現行ラインナップは結構優秀なのでは……? と言ったあたりで結論は濁しておく。
RFマウント、特にAPS-C用レンズが熱い理由
先ほど、サードパーティレンズの発売が解禁されたと書いたが、これがCanonユーザーにとってはなかなかのビッグニュースだった。
そもそも、RFマウント自体は2018年に発表・提供が始まった最新システムだが、それから2024年に至るまで、公式にCanonに許諾されたサードパーティレンズは存在しなかった。
その一方で、SONYは自身のEマウントで早くからサードパーティ向けの仕様開示を行っており、SIGMAやタムロンなどのレンズメーカーが次々と新しいレンズをEマウント向けに発売する状況にあった。
サードパーティレンズは純正と比べて安価であったり、若干ニッチな需要を掘り起こす製品を提供していたりと、職業カメラマンでもない趣味カメラerにとっては大変魅力的なものだ。
それがSONY Eマウントにはあって、Canon RFマウントにはない。
どんどん魅力的なサードパーティレンズがEマウント向けに発表されていく一方で、Canon勢はそれを指をくわえて見ているしかなかった。
いや、実を言うと、Canon勢にも逃げ道はあった。
それがEFマウント向けレンズだ。
EFマウントは、RFマウントの前身となるCanonの一眼レフシステム向けのマウントレンズだ。
CanonはEFマウント向けレンズをRFシステムで使うための純正のマウントアダプターを提供しており、これの完成度が高いために、中古でEFレンズを買っては最新のミラーレス機種で使うということができた。
EFマウントにはサードパーティを含めた膨大なレンズラインナップがあるため、中古市場に目を向ければ比較的安価に目的に適うレンズを手に入れることができた。
とはいえ、CanonがRFシステムをせっせと耕している昨今、新たにEFレンズが発売されることはない。
なので、それなりに安価にレンズを揃えること自体はできたとしても、最新技術を惜しみなく使ったサードパーティレンズを安価に手に入れるということはできなかった。
この状況が変わったのが2024年4月。
レンズメーカーのSIGMAとタムロンがRFマウント向けに「Canonが公式に許諾した」APS-C用レンズを発売すると発表したのだ。
特に、SIGMAが発表したレンズ群には標準ズーム域をカバーするF2.8通しのレンズやF1.4単焦点レンズも含まれていた。
フルサイズ用レンズの発表はなかったものの、APS-C機を使っているCanonユーザーにとっては、これはまさに朗報というものだった。
これまで、Canonは純正としてはAPS-C用のRF-Sレンズを2本しか提供しておらず、しかもいずれもF値が暗く可変のレンズキット向けのものだった。
そのため、これまでCanonでAPS-C機を積極的にお薦めすることは難しかったのだが…… その事情が変わった。
今RFマウントのAPS-C用レンズが熱い。
ゆえに、CanonのAPS-Cミラーレス機種が熱い。
R10, R50にデメリットがあるとすれば
これらの機種にボディ内手ブレ補正が搭載されていないことは、有力な問題点に挙げられるだろう。
そのため、暗い環境で写真を撮るならISO感度を妥協するか、もしくは連写して手ブレのない奇跡の1枚を狙うしかない。
もう1つの手として、F値を下げられる明るいレンズを使うということも考えられる。
たとえば、先ほども触れたSIGMAのF2.8通しズームレンズとか…… どうですかね?
まとめ
Canonのミラーレス、特にAPS-C機においては、R10とR50という有力なコスパ機種がある。
R10, R50ともに被写体認識などの性能が異様に高く、さらにR10は操作性も中級機レベルでストレスなく扱える。
RFマウント向け・APS-C用のサードパーティレンズが続々発売されており、レンズラインナップの問題も解消しつつある。
結論、EOS R10とSIGMA 18-50mm F2.8 DC DNの組み合わせが軽くて写りもよくて最高では?
これが言いたかった。
作例
<あとで作例を数枚置く>