波照間島および石垣島滞在記
エッセイ
僕は今、波照間島にいます。波照間島は、石垣島からフェリーで1時間の場所に位置し、日本最南端の有人島であります。ちょうど10年前、大学一年生の夏休みにもここ波照間島に来ました。その時は19歳、今は29歳。20代という激動の10年間を経て、まったく同じ地に立っているわけです。
10年の歳月は、僕の全てを入れ替えたのかもしれません。当時、僕はコーヒーもビールも苦くて飲めなかったし、煙草のケムリを吸うだけで顔を顰めていました。今は、毎朝コーヒーを飲まない日はなく、居酒屋では3杯目も意気揚々とビールを注文し、一仕事を終える度に煙草を吸います。仕事なんてことをする日が来るとは思っていなかったし、社会がどう回っているかを考えることなどはしなかったのです。当時はただ、向こうからゆっくりやってくる毎日を謳歌していたのであって、今のように毎日をどう利用するかについて策略を巡らすことはなかったのです。10年は一人のあらゆる側面を変えるのに十分な時間なのです。
僕が10年で様変わりした一方、何も変わっていないものもあります。波照間島の美しさは、10年の歳月を数えてはいなかったようです。海は以前と同じく悠々と空を映し、波を纏っています。雲は青空に愉快な模様を描き続けているし、夜は星や月の皓々とした輝きを際立たせます。ヤギは変わらず手当たり次第に葉をムシャムシャと食べています。そんな能天気なヤギを見ながらふと我に返ると、僕の生に対する根っこの態度ー好奇心だったり楽観性のようなものーも同じく何も変わってはいない気がします。僕の輪郭は大いに入れ替われど、僕は僕でいつづけているのです。
また10年後、この島に来ようと思っています。30代を終え、40歳になろうというその時に。これからの10年で世界も、みんなの日々も、僕のも変わる一方、何も変わらないものもあるでしょう。この島の美しさは変わることはないだろうし、僕の中にもそういった変わらないものがあるはずです。人の中にある変わぬものを、人は芯と呼びます。僕は、10年で僕が変わる様子を愉しみながら、10年かけて確固たる僕の芯を涵養していきたいと思っているのです。
下書きエッセイ
僕は今、波照間島にいます。波照間島は、沖縄県石垣島からフェリーで1時間の場所に位置し、有人島における日本最南端の島であります。ちょうど10年前、大学一年生の夏休みにもここ波照間に来ました。その時は19歳、今は29歳。ちょうど20代という激動の10年間を経て、まったく同じ地に立っているわけです。
10年の歳月は、僕の輪郭の全てを入れ替えていきました。当時、僕はコーヒーもビールも苦くて飲めなかったし、煙草はケムリを吸うだけで顔を顰めていました。今は、毎朝コーヒーを飲み、居酒屋では3杯目も意気揚々とビールを注文し、一仕事を終えると煙草を吸う。民宿の相部屋でも野宿でも熟睡ができていた身体は、睡眠時に一切の光も音も許さない体質になってしまった。仕事なんてことをする日が来るとは思っていなかったし、社会がどう回っているかを考えることなどはしなかった。当時はただ、向こうからゆっくりとやってくる毎日を謳歌していただけで、今のように毎日をどう利用するかについて策略を巡らすこともなかった。こういった散文をインターネットに解き放つこともしなかっただろう。10年は一人のあらゆる側面を変えるのに十分な時間である。
僕の輪郭が10年で様変わりした一方、何も変わっていないものもある。波照間島の美しさは、10年の歳月を数えてはいなかった。海は、以前と同じように悠々と横たわり、空を映し、魚やカメを養い、波を纏っている。雲は、青空に愉快な模様を描き続けていし、夜は、星や月の皓々とした輝きを際立たせる。ヤギは変わらず片っ端から葉っぱをムシャムシャと食べている。あるいはそれに加えて、僕の生に対する態度というものも変わってはいない気がした。輪郭は入れ替われど、僕は僕でい続けている。
また10年後、この島に来ようと思っています。30代を終え、40歳になろうというその時に。これからの10年で世界もみんなの日々も僕の輪郭も変わる一方、何も変わらないものもあるでしょう。この島の美しさは変わることはないだろうし、僕の中にもそういった変わらないものがあるはずです。人の中にある変わらないものを、人は芯と呼びます。僕は、10年で僕の輪郭が変わる様子を愉しみながら、10年かけて確固たる僕の芯を涵養していきたいと思っているのです。
雑記
全体的に、自然への準備を怠ってしまった。そもそも5月頭でも沖縄は梅雨で雨多いし、満月だから晴れてても星はかなり見えづらい。大潮の干潮が昼間にきてそのタイミングで海に入ってしまって、サンゴで足を傷つけられる、など。それなりに旅慣れしてるし性格的にもノープラン旅が好きだが、石垣島とかは天候を味方にしないとなかなか存分には楽しめないので、もうちょっとこの辺を考えておくべきであった。
石垣島自体5回目?くらいなので、流石に目新しさはないかも。その分慣れ浸したしんでいるので、内省の時間をかなり取れたのはよかった。
貧弱になっている。10年前は相部屋で隣のおじさんがイビキ書いていても熟睡できたが、今はなかなかしんどい。カフェでの作業とかも(前回はこんな概念がなかったけども)、あまりいい場所がなくてそこまで捗ったわけではなかった。
実際、10年前と全く同じ場所に来て、当時のことに想いを馳せる、って時間はかなりよかったな。