日本動物行動学会第38回大会ラウンドテーブルD講演
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日時:2019年11月24日(日)13時〜15時
会場:大阪市立大学杉本キャンパス
テーマ:行動生態学のアウトリーチにおける"炎上"を考える
趣旨:動物行動学では、その名の通り動物が示す様々な行動を扱っているため、人間の行為と捉えうる表現(配偶者選択・協力行動など)を多用し、中には人間社会では犯罪に区分される行動を示す表現(子殺しなど)も存在する。研究者の間では「生物の適応に関する科学的議論と善悪のような価値判断は異なる」という前提が共有されているが、近年、大学・研究者・学術誌に求められる一般社会へのアウトリーチ活動はそのような前提知識を持たない人々との接点を増やしており、特にSNSにおいて一般常識から学術用語を判断し誤解が生じた結果、多数の非難・批判が殺到する "炎上 "と呼ばれる状況が生じている。しかし、"炎上 "を恐れて動物行動学とヒトの生物学を遠ざけると、ヒトと動物の共通性や差異の理解を妨げ、動物行動学がもたらす科学的知識の一般への普及も妨げること になるかもしれない。本ラウンドテーブルでは、昨年起きた炎上案件を報告し、科学コミュニケーションと科学哲学の視点をご紹介いただき、より良いアウトリーチについて議論したい。
講演者・講演タイトル:
RD-1 「趣旨説明」:土畑重人(京大・農・昆虫生態)
RD-2 「事例報告:「セクハラが多様性維持」炎上について」:小林和也(京大・フィールド研)
RD-3 「理解と誤解のはざま──科学コミュニケーションの実務から」:清水智樹(京大・国際広報室)
RD-4 「科学的な内容の議論における「文脈の分業」の必要性」:伊勢田哲治(京大・文・科学哲学)
発表スライド: