仮説検定
データから仮説の妥当性を確率的に判定する枠組み
概要
ある仮説が正しいと仮定した世界において観測を一回行い,その結果がありふれた事例であるかを確認する
仮説のもとで極端に珍しい事例が観測時に生じていたと分かれば,もとの仮説が疑わしいと判断する
具体例
「薬が病に効かない」と仮定した世界において,「治験で薬を投与された/されなかった患者それぞれの症状変化」を観測する
「それぞれの群の症状変化の仕方」が,「薬が病に効かない」とするとあり得ないくらいに違いが出ているなら,もとの仮説が疑わしいとなる
言い換えると,観測結果より「薬が病に効く」と考えるのが妥当となる
なぜ「薬が病に効く」ことを直接的に確認しないのか?
ある仮説を立てて,それを肯定するデータをいくら集めてもその仮説は指示されない
しかし,ある仮説を立てて,それを否定するデータが得られれば,その仮説は論理的に破綻する
例
「白鳥は白い」という仮説のもとで「白い白鳥を見た」経験をいくら重ねても,すべての白鳥が白いかどうか分からない
しかし,「黒い白鳥を見た」という経験をすれば,仮説は確実に間違っていると判断できる
使用方法
示したい仮説の否定(帰無仮説)を前提とする
観測結果(データ)の生じる確率が基準(有意水準)よりも低ければ,示したい仮説が支持されると考える
手順
1. 帰無仮説(例:病に薬が効かない)を仮定する.
2. もしデータとしてその仮定のもとでほとんど生じ得ない珍しい事象(例:薬が病に効かないなら,通常,5%以下しか生じ得ない症状変化の偏り)が現れているなら,「仮説の否定(例:薬が病に効かない)は疑わしい」となる.
3. すなわち,「確認したい仮説(例:薬は病に効く)はデータから支持される」と結論づけられる.
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2025/5/8 19:33
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