Besiege航空機設計論備忘録
Besiegeで戦闘機を200機以上作ってきたわけですがそろそろ機体設計の理論を体系的にまとめてみようかなと。
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1章 速度・加速度特性
Besiege航空機の時間経過における速度変化をグラフ化すると下記のようになります。
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時間経過とともに速度が減少しているのがわかりますね。これは機体が持つ空気抵抗が速度上昇とともに上昇していくからです。分かりやすくするため速度・加速度の対応関係を見てみましょう。
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きれいな直線状のグラフになりました。
エンジン推力をF、機体質量をm、機体速度をv、機体加速度をaとしたとき、
機体に発生する抗力を単純化してkvとするとこの機体の運動方程式は
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はい。aとvの関係を見ると一次関数ですね。
でそれぞれの切片を計算してやると、
x軸切片はF/m、y軸切片がF/kになることが分かります。
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簡単にまとめると
機体質量を減らせば最大加速度が、
機体空気抵抗を減らせば最大速度が、
エンジン推力をあげるとその両方が増大します。
まぁこんな計算やらなくても分かりそうな話ですね。で、ここでひとつ気になることが出てきます。
Besiegeにおける空気抵抗は正の値に限らないということです。みんな大好き謎加速ですね。
謎加速配置のプロペラを大量に搭載した機体では機体全体の空気抵抗が負の値をとります。
でそんな機体で加速度・速度特性がどうなるかというと…。
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エンジン始動直後(速度0)の状態から加速度が際限なく増大し、無限に加速し続けます。
こうなってしまうとエンジンを止めようが何しようが機体を停止できなくなるのでエアブレーキで空気抵抗を正の値に戻すか、機体の旋回によって減速をかけるしかありません。
まぁ正直あまりうれしい仕様ではないのでエンジン始動直後に機体加速度が増大し続けるような機体は謎加速配置のペラを減らすことをおすすめします。
2章 旋回特性・エネルギー機動性理論
空戦機が円軌道で旋回することを考えてみましょう。(加速しながら移動する空戦機を等速円運動と近似していいかは議論があると思いますが、とりあえずここでは簡単のためそのように定義します。)
導出過程は省きますが、半径rの円軌道で飛行する機体にはたらく向心力F_w、つまり翼面荷重は次の式で表されます。
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ここで旋回半径について旋回率ω=v/rより
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このような式が得られます。で、機体が耐えられる翼面荷重の限界値は決まっているため、
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これが機体の旋回率を決める条件となります。
要は旋回率を上げたければ
・主翼を頑丈に作る。
・機体質量を低減する。
・速度を落とす。
を満たせばいいわけです。
特に最初の2つは両立が難しいうえ限界があるため、結果的に3つ目の「速度を落とす」が重要となってきます。
3章 エンジン設計論
4章 旋回の原理、応答特性
5章 翼形状
Besiegeにおける空戦機の翼形状は