工学部の概要ページ
「彼を知り、己を知れば百戦危うからず」推薦入試においても、志望学部に詳しくなり、自分が学びたいことと結びつけることが非常に重要となります。
ここでは東京大学工学部がどのような学部なのか、推薦入試ではどのような形態を取っているのかの概要情報をまとめています。また、重視しているポイントや傾向を過去の受験者の面接資料などもあわせて解説しています。
工学部まとめ記事
工学部二次試験突破のポイントをより詳しくご覧になりたい方は下記のリンクに飛んでください。
工学部ってどんな学部?
工学部は「科学技術を扱う」学部という、漠然としたイメージしか持っていない方も多いでしょう。東京大学工学部はどのような理念を持っているのか、ホームページから見ていきます。
学部長のお言葉には「もの」づくりから、広く「こと」づくりへ とあります。
つまり、従来の産業の中核としての工業から、社会をその対象としてより良い未来を作っていく役割を担っていこうという理念を掲げています。実際に、エネルギーや環境、資源、水・食糧などの解決を挙げている「持続可能な開発目標(SDGs)」は工学なしでは成し得ることができません。
ホームページ概要には工学部では社会の中での科学技術を重視していると記されてあります。
現代社会の中で、科学技術は不可欠な存在です。科学技術の恩恵を利用せずには一日たりとも機能することはできません。
しかし、同時に科学技術の利用には弊害も伴います。例えば、生活環境や医療の改善による高齢化社会の到来、大量消費による資源の枯渇や環境の汚染など、私たちが立ち向かわなければならない問題は様々です。
この社会へ良い影響を最大化すると共に、弊害にも取り組むのが東京大学工学部の目標です。
求める学生像
東京大学工学部は推薦入試でどのような生徒を求めているのでしょうか。募集要項には以下のように書かれています。
理数系分野における特に秀でた能力。
明晰で柔軟な思考力を有し,かつ自ら課題を設定し幅広く学修する能力。
異なる思考様式や文化的背景を持つ人々と協力してグローバルな問題を発見し解決できる能力と世界的視野で社会問題に取り組もうとする人
これら能力のうちのいずれかを持ち、社会問題を「科学技術」を通じて解決する強い意志を持ち、問題解決やイノベーションに貢献できる学生。
つまり、東大工学部はただ科学技術の発展に寄与する優秀な人材を求めているわけではありません。
社会、および人類にとってより良い未来を作り出すという東大工学部の理念に共鳴してくれる学生を求めているのです。
上記の条件は理系学部の中では最も緩く、当塾では地理オリンピックの実績者が二年連続で合格しているなど、多様な分野で活躍し、他とは異なる視点から社会問題へのアプローチを考えている学生を求めていることが伺えます。
教育方針
推薦生に対する工学部の教育方針は募集要項に以下のように書かれています。
「工学部は豊かな教養、国際性、科学技術に対する体系的な知識を身につけ、研究・開発・設計・生産・経営・政策提案等において、工学的手法を活用して人類社会の持続と発展に貢献できる指導的人材を養成することを目的としています。」
つまり、推薦で入学した学生には将来、リーダー的存在として社会に貢献することを求めています。そのため、一般入試では測れない主体性やリーダーシップ、周りを巻き込める熱意を重視していると言えます。
一次試験
一次試験の書類選考では、あなたの志望理由とそれまでの活動を証明する書類の提出が求められます。
志望理由書の問い
東京大学工学部を志望する理由等について自筆で記入してください(800字程度)
一次試験の分析
志望理由書では、「志望する理由について」という簡潔でシンプルな課題文になっています。そのため自由度は高いですが、多くの受験生は自分が取り組みたい社会問題とその理由、及び自分の高校在学中の研究活動について記述する学生が多いです。
二次試験
面接
東京大学工学部の二次試験には45分程度の面接が課されています。まず、志望理由や研究活動に対する共通質問を15分程度行い、次に専門知識を持った教授があなたの志望理由で気になったことを突っ込む個別質問を30分行うという流れになっています。工学部教授 5人 対 受験生 1人。
内容 あなたの志望理由や研究活動について説明
目的 45分間対話して、あなたの本気度を測る
分析
工学部の面接では「〜に関して簡潔に答えてください。」という聞き方を頻繁にされることからまとめる力が重視されていると分析しています。実際に、東大の一般入試の国語の解答欄はとても狭く、英語では要約が課されています。そのため、対策としては先生、親御さんなど複数の方に面接官役をお願いし、自分の伝えるべき論点をロジカル且つ明確にまとめて伝える練習を日頃から行うことが有効です。。
また、面接試験において、「最後に何か言いたいことや聞きたいことはありますか」は必ず聞かれる質問であり、ぜひ自己アピールや大学への想いを伝えるために有効的に活用するべきです。東大の面接では要約力が重要であり、情報の取捨選択により全てを伝えきれないのは仕方がないことです。そこで、この機会にその伝えきれなかったことを存分に伝えましょう。
小論文(*2019年に廃止)
例年、600字から800字程度の小論文課題が事前に課されていますが、今年(2019年)に小論文が廃止されました。しかし、過去の課題内容から工学部がどのような価値や思考能力を評価しているのかつかめるでしょう。
2016テーマ
人類を救った科学技術とは。
2017テーマ
ルネサンス期に社会的変革をもたらした「火薬・羅針盤・活版印刷術」&2050 年頃の三大発明
2018テーマ
食について (健康・安全・無駄など)
以上の課題内容から、科学技術への関心や愛があり、その力に未来の希望託している人を求めていることがわかります。また、一つのトピックからいかに自分のフェィールド(専門分野)に引っ張り込めるかを見ているでしょう。
全体的な傾向
東京大学工学部は、枠が10名程度の他学部と比べ、30人を募集するマンモス学部です。そのため、倍率が他学部よりも低く、特殊な個性や東京大学の価値観とフィットする意欲、関心を持っていれば合格する可能性が高いでしょう。また、それ以外のポイントとして工学に対する愛を伝えるということが挙げられます。
そして、それらを簡潔にまとめる力を身につけるために何度も練習を重ねて、本番に向けて万全に準備してください!
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