おうちでTOCfE 教えてプロフェッサー
若林靖永さんの講演動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=olYjgAINBJA
■5/5(日・祝)
教えてプロフェサー/出演:若林 靖永(NPO理事長、TOCfEマスターファシリテーター)
■QA一覧
※テーマトークとフリートークの時間にすべての回答をいただきましたが、別途テキストでも若林先生に回答いただきました。(文字数の都合によりフリートークのQAはイベントページに掲載します)
2:07 Q1 若林先生ご自身はTOCfEをどんなシーンで使っていますか?
A1 考え方としてはよく使っている、いつも使っているように思います。厳密に図解して使うのも、自分の考え、アイデアを整理しながら探求するとき、学生の研究計画や論文のレビューについて話を聞きながら整理してさらに質問をするとき、授業で講義内容のロジックを説明するとき、などのシーンで使っています。使い方としても、ノートやホワイトボードにどんどん書いていくというのもやりますし、付箋紙にまず書き込んでそれを並べたり並び替えたりしてやっていくというのもやりますね。
4:45 Q2 若林先生はご家庭で子どもさんや奥さんとTOCfEを使っていますか?使っているならどんな場面で使っていますか?
A2 実は家庭ではあまり使っていません。たまには、ちょっと待ってね、ゆっくり整理して考えてみようということで使うことはあります。でもたいていは使っていないのは、間に図解ツールが入るというのがまだるっこしいという感じになってしまうと、関係、気分がギクシャクしてしまうことがあるからです。図解ツールを使うには、それを受け入れる状況をまず作っておく必要がありますね。
7:26 Q3 6才の娘にブランチを教え始めましたが、ブランチ、クラウド、ATTはこの年齢から教えたほうが、理解しやすいというのがあったら教えください
A3 いわゆる発達年齢というのがあってトピック、取り扱う内容とそのレベルによってはある年齢では難しいということがあります。幼児・小学校低学年には政治や歴史の話は難しくて小学校では5年・6年で取り扱います。ですから、教育のためのTOCを使う上で、教える、学ぶ上で適当な年齢があるというよりも、取り扱う内容がその年齢、その子どもにとってふさわしい、興味が持てる、理解できるないものかどうか、の方が決定的です。教育のためのTOCは、文字で図に書き込んでいくのが一般的ですが、それを絵に変えても使うことができます。幼児教育では、絵を使う教育のためのTOCで、ブランチ、クラウド、ATTを使っている事例もあります。6歳なら十分ですからぜひいっしょに興味のもてるトピックでは教育のためのTOCを使って話し合ってください。
12:45 Q4 もともと頭がいい人がブランチを使うとすごい効果がある気がするのですが、考えるのが苦手な人はブランチを練習しても考える力がなかなかつかない気がします。学生さんに教えていて、そのような印象はお持ちでしょうか?どうすればみんなの考える力を伸ばすことができるでしょうか。
A4 もともと頭がいい人はブランチも上手に使うでしょうが、こういう人はどんなツールでもうまく使います。というのも、ツールのコンセプト、適用すべき状況、限界などを理解してツールを使うからです。教育のためのTOCがすごいと思うのは、そうでない人でも誰でも使え
るツールだということです。なぜならばとてもシンプルで、ロジックも明確で、覚えること、お約束もとても少ないことです。だからそれぞれがそれぞれのレベルで自分の考える力を着実に伸ばすということを、教育のためのTOCは支援促進すると思います。
17:29 Q5 人の話をうのみにすることが多くて、なかなかちゃんと考える力がつかないと悩んでいる友達がいます。どのようなアドバイスをしたらいいでしょうか。
A5 本人が自覚していないなら「自分は人の話をうのみにしていることが多く、それは望ましくない」と気づく必要があります。しかし、アドバイスで気づくというのはなかなか難しいです。なぜなら、「それは人の話のうのみで、自分の考えはないの?」なんて言ったら、攻撃だと受け取られてそれ以上まともな対話はできなくなってしまいます。思い込みを思い込みだと自覚してのりこえていくというのは大変難しいことです。相手に反論したり指導したりするのではなかなかうまくいかないでしょう。そうではなくて、誰がそう言っているのか、どういう理由や根拠でそう主張しているのか、それに反対する立場の意見はないのか、賛成・反対の意見、それらの理由や根拠を調べて整理して、その上で自分の質問や意見を考えてみよう、と面倒だけど、ていねいなステップで問いかけて一緒に考えることです。面倒でもこういうことをていねいにやることが、ちゃんと考えることであり、ちゃんと考えるステップを大事にすることがちゃんと考える力がつく方法です。
23:35 Q6 TOCfEのツールと他のクリティカルシンキング、ロジカルシンキングのツールとの違いについて、どうお考えでしょうか?
A6 クリティカルシンキングはそもそもツールではありません。クリティカルシンキングやロジカルシンキングのいろいろなツールはその一部を助けるためのツールに過ぎません。教育のためのTOCもまた、クリティカルシンキングのすべてではありません。クリティカルシンキングを深めようと考えるならば、教育のためのTOC以外のさまざまな課題や議論に取り組んでいくことが求められます。しかし、教育のためのTOCはクリティカルシンキングの大事なポイントをおさえており、教育のためのTOCは大いにクリティカルシンキングを行うことが助けます。教育のためのTOCはシンプルなので誰でもどんなことにも使いやすいものになっていて、自分の考えるプロセスを改善することを助けます。ほかのツールは大事なポイントではなく細かいところのみに対応していたり、複雑なために使いづらいこともあったりします。
29:08 Q7 認定プログラムの講師にチャレンジしたいのですが、人前で教えることが怖い気もします。普段どんなトレーニングをすれば、人前で講師をすることができるようになるのか、一般的な話でも大丈夫なのでアドバイスをお願いします。
A7 国際認定プログラムの講師、マスターファシリテータにチャレンジしたいという気持ち、とてもうれしく思いますし、ぜひ応援したいと思います。講師、マスターになるためにはいくつかのポイントがあります。第1に、国際認定プログラムのテキストをよく読み込んで考えて他の人と質問したり意見交換したりして、内容を深めることが大事です。教える内容がよくわ
かっていなければ、うまく教えることはできません。第2に、講師だからと言って自分の話し方が上手であることが重要なのではなく、受講者が互いに学び合う場、環境づくりができるよう、ファシリテータとしての知識、経験、スキル、態度が大事です。教え込むのではなく、考えて気づいてもらうように援助できるよう、ファシリテーションについて学びやってみてください。第3に、受講者といっしょに集中して楽しく学ぶために、声、スピード、姿勢といったしゃべり方も、やってみてフィードバックもらって改善していくことが大事です。
■イベントページ(開催済み)
■主催
NPO法人 教育のためのTOC 日本支部
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