memo: どういう人々が新型コロナウイルスのワクチンを接種したがらないか:インターネット調査における検証
データ
調査対象
2020年度「新型コロナウイルス流行下における心身の健康状態に関する継続調査」の有効回答者
サンプリング
47都道府県×性別×年代を人口構成比率に応じて選択
除外条件
郵便番号が実在しないもの、回答した都道府県と郵便番号が合致しないもの、回答における身長と体重が信用しがたいもの(身長200cm以上、体重35kg未満または100kg以上)、事前に登録されていた年齢と回答の年齢が2歳以上異なるもの、回答時間が極端に短いもの(5分未満)と長いもの(10時間以上)
有効回答者数
16,642名(男性8,022名、女性 8,620名)
データ
上記の有効回答者に質問を送った結果
回答時間が極端に短かいものと長いものを除外
有効回答者数は11,846名(男性 5,965名、女性 5,881名)、平均年齢(標準偏差)は54.0歳(14.2歳)
アウトカム変数
ワクチンを接種したかどうか
接種していない場合
1. 接種するつもり
2. 接種しないつもり
3. まだ決めていない
説明変数
メンタルヘルスと一般的信頼に関するもの
PHQ-9 (Patient Health Questionnaire-9)
全般性不安障害を簡易に評価するための質問票
GAD-7
Generalized Anxiety Disorder-7 日本語版
新型コロナウイルスについての恐怖の水準を計測する指標
FCV-19S(Fear of Coronaviruss-19 Scale, 新型コロナウイルス恐怖尺度)
一般的信頼
世界価値観調査(WVS, World Values Survey)の「一般的にいって、人はだいたいにおいて信
用できると思いますか、それとも人と付き合うには用心するにこしたことはないと思いま
すか。」という問いを用いた。
他
性別・年齢・最終学歴・同居家族構成・就労状態
年間の世帯収入・預貯金額・居住地
身体状況関係の変数として、BMI(身長と体重から算出して4つに区分)、既存疾患の有無、新型コロナウイルスの診断の有無
新型コロナウイルスの情報源に関する質問として、テレビ(NHK)、テレビ(民放)など15項目のうち、最も重視するもの
統計解析
多項ロジスティック回帰分析
相対リスク比(relative risk ratio, RRR)とその95%信頼区間
女性の男性に対する相対 リスク比の計算式
$ \frac{P(ワクチン接種=接種しない|女性)}{P(ワクチン接種=接種する|女性)}/\frac{P(ワクチン接種=接種しない|男性)}{P(ワクチン接種=接種する|男性)}
結果
、情報源がワクチン接種 意欲と関係することが、これらの研究や本研究から示唆される。ただし、NHKを重視する ためにワクチンを受容するという因果関係が存在するのか、それとも、NHKを重視するよ うな人々はワクチンを受容する傾向があるという相関関係なのか、観察研究では本研究か らは把握できず、更なる研究が必要である。
総じて言えば、本研究からは、多くの先行研究と同様に、性別と年齢と社会経済的状況 (教育、所得、預貯金額などの総体)がワクチン接種の意欲との間で関係が強いことが示 された。ただ、性別と社会経済的状況は、相対リスク比の値が0.5から2の間に概ねとどま る一方で、年齢については概ね2から3と大きな数値になっており、政策的な焦点としては 年齢により重点を置くべきかもしれない。
Facebookを最も信頼する情報源とした人の相対リスク比が23.54と断トツだが回答者が15人しかいない、インターネット調査の割にSNSやニュースサイトを参考にする人が少ないがこれはどういう事だろう。