iPhoneのダークモードとライトモードは視覚的な印象の観点において並列関係でない感覚の記述
言いたいこと
端的な話として特にノッチが見えない状況では、ハードウェアに対する重みや感触はそのままソフトウェアに直接働きかける融けた感覚であるのに対し、背景がノッチやベゼルを強調するカラーだとハードとソフトの間接的な感覚になること割とある https://t.co/I27mXOod7v 考え事の発端が、「外見モード」を起点としていたので、慣用的にそういうタイトルにしたけど、どちらかというと論点は「ベゼル、ノッチが視認できる/できない」ことによる感覚の違い。
前提として
HIGによると、あくまでダークモードとライトモードはユーザーの使用環境における光量ギャップに対応するものであることが読み取れる。 Dark Mode is a systemwide appearance setting that uses a dark color palette to provide a comfortable viewing experience tailored for low-light environments.
しかし、Appleも事態がそれだけに留まらないことを認識していて、そのことについて次のように表現している。
In rare cases, consider using only a dark appearance in the interface. For example, it can make sense for an app that enables immersive media viewing to use a permanently dark appearance that lets the UI recede and helps people focus on the media.
翻訳
稀なケースとして、インターフェイスに暗い外観のみを使用することを検討します。たとえば、没入型のメディア視聴を可能にするアプリでは、UIを後退させ、メディアに集中できるようにするために、恒久的に暗い外観を使用することが理にかなっている場合があります。
一見するとこれは、映画の文脈で語られるようなnon diegeticな話と思いきや、よくよく考えるとiPhoneが指先でfluidなinteractionが可能なデバイスであることを考慮すると、そういった範疇を超えた複雑さがある。 というのも、個人的な感覚の記述を試みると
ベゼルとノッチが見える/見えない状況での感覚の違い
例えばiPhoneの設定や表示領域が特殊なGoogle Map
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において、スクロールしたり、ピンチイン、ピンチアウトなどによってソフトウェアへの"働きかけ"を試みる。常にベゼル(=ディスプレイ表示可能領域の閾値)とノッチ(=ハードウェア要素と判断できる特徴的視覚要素)が視野に入っている状態では、iPhoneを手に持った時の素材の感触や重み、ガラス面の手触りはハードウェアに従属したものとして扱われ、ソフトウェアとは隔絶された上位層のレイヤリングである認識を持つ。この場合では、ベゼル、ノッチに囲まれた空間に対してガラス一枚を挟んで、間接的に、"働きかける"、”動作させる”といった感覚が働いている。 といった感じ。
設定をダークモードにした場合や外見モードによらず背景が黒い計算機を”触って"みる。
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設定はひとたびスクロールするとノッチが現れて多少冷めてしまうが、階層をもぐったり検索をしている間、計算機においては全ての動作において、視野に先ほどの境界線とハードの特徴は現れない。この状態では、ソフトウェアと指との間の距離が先ほどよりも「近く」なる。加えて、ハードウェアとソフトウェアの視覚的な境界線を失ったことで、先ほどまでに挙げたハードウェアに従属した感触らがそのままソフトウェアにも適用される。ハードウェアを通してソフトウェアに働きかける感覚から、ハードとソフトを隔てず、手に持って操作する指の感触が、ソフトウェアの世界でのそれになる。