観測介入に起因するバイアス
観測介入に起因するバイアス(1)
心理的な効果によって、本当に知りたいデータが得られないことがある
たとえば以下のアンケートに答えてみてください
質問:あなたが就職先を選ぶ際に一番重視する項目は何ですか?
1. 給与 2. 働きやすさ 3. 社会的評判 4. その他
では、このアンケートではどうでしょうか?
質問:あなたが就職先を選ぶ際に一番重視する項目は何ですか?
1. 給与 2. 成長できる環境 3. 残業の少なさ
4. 転勤の有無 5. 職場の雰囲気 6. 有給の取りやすさ
7. 社会的評判 8. その他
(あなたの回答には違いがありましたか? それを意識したうえで、下の解説を見てください)
回答は選択肢の設定のしかたに大きく影響を受ける
質問文の与える印象でも回答は変化する
https://gyazo.com/bb2d08f304ba32ac018eddae79a20c25
観測介入に起因するバイアス(2)
アンケート(質問紙)調査の難しさ
回答を歪める心理的効果
中心化傾向:リッカート尺度(※)で選択肢の数が奇数の場合真ん中(どちらともいえない)が選ばれやすい
※[不満―やや不満―どちらともいえない―やや満足―満足]など
キャリーオーバー効果:前の質問の回答が次の質問に影響
質問文での誘導:「近年、SDGsへの関心が高まっていますが、貴社では環境への対策をどの程度行っていますか?」のように、質問文によって回答が影響される
バイアスのかからない質問・選択肢の作り方が重要
ダブルバーレルをさける(1つの質問に2つ以上の内容を入れない:「ゲームや読書が好きである」など)
回答を誘導する質問を作らない
質問順をランダムにする などなど