利己主義という気概
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現在もなおアメリカ人に支持され続けるアイン・ランドの過激な自由主義思想「リバータリアニズム」の全貌を明らかにする政治思想エッセイ集、本邦初訳。
「利己主義」こそ、人間の正しい生き方であると説き、他者へ利益を分け与える「利他主義」を断罪し、一般的には否定的なものと考えられる「利己主義」という概念を肯定的に提示。自由放任資本主義を積極的に肯定し、「利己主義」の真の意味を説くことで、人間という存在の意義、人生の意味、そして真に人間が人間らしく自由に生きられる社会・政治・経済体制を明らかにしていく。 本書は、アメリカの草の根に息づく真の「保守思想」を体現した思想家ランドによる啓蒙の書である。
徹底したエゴイストばかりならば、戦争は起きない!
利己的に生きることができない人間は、他人も世界も救えない!
「利己的に生きるなんて、わざわざ教えられる必要などない。誰だってそうしているし、簡単なことでしょう」と言う人々は、アイン・ランド的な意味における「利己的に生きる」ことの困難さを理解していないのだ。もしくは、その必要性を感じないほどに、より良く生きることに無自覚か、より良い生を生きたい欲望が希薄なのである。言い換えれば、自分の生を大切なかけがえのないものとは感じていないのである。自分の人生のかけがえのなさに鈍感な人間ならば、他人の人生のかけがえのなさにも鈍感に違いないし、他人の人生を蹂躙して平気であろう。
アイン・ランドが本書で弾劾してやまない悪とは、「生きているのに死んでいること」である。祝福してやまない善は、「とことん生きて生き延びること」である。
こう書くと、単純素朴過ぎるように聞こえるかもしれないが、生命体である人間にとって、これほど究極の悪があるだろうか? これほど究極の善があるだろうか? このような根源的な善悪の観念を、心と頭脳に刻みこむことは、どれだけ深く刻み込んでも深すぎるということはない。(「訳者解説」より)
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