チェン・ブラザーズの戦略
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チェン・ブラザーズの戦略
ここでは、急成長中の高級食品卸チェン・ブラザーズを紹介しよう。チェン・ブラザーズの最終的な目標は、利益の拡大と働きやすい職場の実現、そして信頼できるオーガニック食品卸になることである。これらは立派な目標であるが、戦略ではなく、むしろある種の枠組みであることを経営陣はわきまえていた(目標から逸脱した行動を排除するという意味で、良い目標はゲームのルールのような役割を果たす)。 では同社の戦略は何かと言えば、それは、大手スーパーでは扱わない高級食品や珍しい食材を高値で仕入れてくれる地元の食品店にターゲットを絞り込み、そこでシェアを拡大することである。経営チームはターゲット顧客を三つのランクに分け、それぞれに戦略目標を設定している。最も重要な目標は、第一ランクの食品店で圧倒的シェアを獲得すること。続いて第二ランクでは売り込みに見合うシェアを獲得すること、第三ランクでは商品の浸透を図ること、である。
最終目標(目的)
利益の拡大
働きやすい職場の実現
信頼できるオーガニック食品卸になる
戦略
「他の大手スーパーでは取り扱わない珍しい食材を高値で仕入れてくれる地元の食品店」にターゲットを限定する
戦略目標
第一ランクの食品店で圧倒的シェアを獲得すること
第二ランクでは売り上げに見込むシェアを獲得すること
第三ランクでは商品の浸透を図ること