ソフトウェアをタダで売る
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2007年11月以降、サンフランシスコに拠点を置く新興企業のプラクティス・フュージョン社の無料ソフトウェアに、数千人の医師がサインアップして、電子カルテと医療業務管理ツールのシステムを利用している。 そうしたソフトウェア製品は通常5万ドルはする。なぜ同社は電子カルテシステムを無料で提供できるのだろうか?
フリーミアム+広告
2種類のソフトを用意して、フリーミアム・モデルとした。ひとつは無料だが、グーグル・アドセンスのような広告がつく。もうひとつは広告なしで月額100ドルかかる。 プラクティス・フュージョンの電子カルテシステムを利用するようになった最初の医師2000人のうちで、有料バージョンを選んだのは1割以下だった。しかし、真の収入源はほかにある。
データを売る
無料ソフトにより、同社が充分な数のユーザー(医師)を集めれば、そこで医師が次々と患者のデータベースをつくる。
特定の病気を研究する医療機関は、多数の患者の長期にわたる医療記録を必要としているので、研究対象ごとに(たとえば、ぜんそくを持つ白人で肥満の中年)、匿名にしたデータは50ドルから500ドルで売れる。1人の医師が250人の患者を扱うとすれば、最初にユーザーとなった2000人の医師から50万件の記録が集められる。
さまざまな機関が種々の研究をしているので、1人の患者のデータは複数の機関に売ることができる。1人のデータが平均500ドルで売れれば、2000人の医師にソフトを5万ドルで売るよりもはるかに大きな収入を得られるのだ。
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