どこをオープンソースにするか?
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どこをオープンソースにするか?
自社の開発プロジェクトの「市場性」
第一段階は競合製品との比較において、自社製品の市場性を分析しなければならない。その市場規模がたとえどんなに小さいものであっても、市場調査をして、商用ソフトウェアでライバルはあるか? フリーウェアでライバルはあるか? といったことを調べる必要がある。
その際、自社製品の市場性は、提供単位をコンポーネント化し、コンポーネントごとに個別販売する可能性、他製品とバンドルする可能性、オープンソース化する可能性について慎重に検討しなければならない。同様に、同一の機能性を有するフリーウェアとか商用ソフトウェアとの組み合わで提供するオプションも必ず検討しなければならない。
戦略1
SQLサーバをMySQLに切り替えたあと、サーバ部分とバックアップおよびトランザクションのログなどを管理するモジュールをパッケージ化し、Java/Cライブラリと一緒に販売する。その一方、フリーのPerlライブラリの配布とサポートを実施する。この戦略は、MySQLパッケージの販売に勢いをつけながら、Java/Cライブラリに含まれているアドオンコードやプラグインモジュールの利用を可能にする。これによって、あなたのところは、自社が特許を有するコードや、特許取得が可能と思われるコードを公開せずに済む。また、競争上非常に有利と思われるコードも公開せずに済む。この戦略においては、小規模用途から大規模用途のMySQLサーバを構築できる会社として売り込むことが推奨される。
戦略2
自社製のSQLサーバの優れた機能をオープンソース化し、MySQLに解放する。そのうえで、バックアップおよびトランザクションのログなどを管理するモジュールを様々なデータベースに対応できるように拡張してから、単独製品として販売する-MySQLとの組み合わせを推奨する。この戦略による収益は、戦略1より少ないが、これによって会社の製品ラインをより絞りこめる。また、顧客の裾野を広めることができる。このような製品はサポートも恐らく容易である。
戦略3
戦略2とは正反対の方針、つまり、SQLサーバと組み込み用ライブラリは商用ソフトウェアとして販売しながら、バックアップおよびトランザクションのログなどを管理するモジュールを様々なデータベースに対応できるように拡張したうえで、それをオープンソース化する。これにより、この部分の開発コストを削減しながら、自社製データベースを市場に売り込むことができる。このオープンソース化によって、自社の競争力は多少そがれるが、一部の競合企業がオープンソース化で獲得できる競争力を未然にそぐこともできる。