「模倣の欲望」理論
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現代フランスの思想家 R.ジラールの理論の中心的な概念。彼の理論は,欲望の三角形理論とも呼ばれ,哲学,精神医学,人類学,文芸批評などの広い分野に影響を与えている。人間の本質は他人を模倣することであり,そうすることで本人にも初めて欲望の対象が現れるとする。人間が模倣しているのは,いつも他人の欲望であるから,他人は必然的にその人の前に立ちはだかるライバルとなり,本人,欲望の対象,ライバルという三角関係が生れることになる。模倣の欲望は,不可避に模倣的対抗関係に発展するが,人間社会にとって最も危険な暴力は,すべてこの対抗関係から生れ,これの破壊的効果をかわすには,身代わり・犠牲者・いけにえによるか,あらゆる暴力の無条件的な破棄によるか,2つの方法しかないと考え,実践的には再生したキリスト教の精神に訴え
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ジラールによれば、欲望とは具体的な対象に対する欲望ではなく、他者の欲望を模倣するところから始まります。
欲望の起源が他者の欲望を真似することであるならば、欲望は対象からもたらされるものではありません。従って欲望には限度がなく、満たされることがありません。従って、欲望の対象は現実を超えたものとなります。