「構造と素子」と、十進法理解のためのタイルの結集
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構造は、「要素どうしが何らかの相互関係によって結ばれている集合」と考えることができます。単純にいえば、集合に相互関係を取り入れたものといえます。 そして、集合は素子の集まりです。なので、素子ではなくて要素と言ってもいいのかもしれませんが、とりあえずここでは素子という言葉を使いたいと思います。
構造と素子との関係は固定的なものではなく、同一のものがより大きな構造の素子とも考えられるし、一方では、より小さな素子からなりたっている小さな構造とも考えることができます。たとえば、一つの都市は市民という素子からできた構造とも考えられるし、一方では、国家という大きな構造のなかの素子とも考えられる……つまり、<構造 ― 素子>という考え方は絶対的なものではなく、視点を変えることによって構造とも素子とも考えられる相対的なものである、というわけです。
こういう構造と素子の関係の実例は初等数学のなかにいくらでも発見できるとして、遠山啓は十進法を学ぶときに使われるタイルの話を出しています。タイルは、1が10こ集まって10になり、10が10こ集まって100になりますが、10は1を素子とみれば構造であり、100を構造とみれば素子とみなせる、という話です。
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