fluidity
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ユーザーはFluidityでステーブルコインをラッピングします。例えば、USDCをラップすると、fUSDCが生成されて、元のUSDCはCompoundのようなDeFiプロトコルで貸し出されます。
この貸し出しによる利回りがプールに貯まっていき、その分が「fUSDCでトランザクションをした人にランダムで配布される」という仕組みになっています。
トランザクションをするたびに宝くじを引くようなもので、当たったら送金者と受金者で、それぞれ 80% - 20%で分け合います。例えば報酬が10ドルだったら、8ドルが送金者に、2ドルが受金者のウォレットにすぐ送られます。
消費にゲーム性をもたせる感じになるので、以下のようなユースケースが考えられます。
①日常の支払いにインセンティブをつける
クリプト払いを受け付けるコンビニで買い物をしたとします。$100ドルの買い物をƒUSDCを使って支払うにしました。
すると支払ったらすぐに、ウォレットに$800の報酬が入ってきて、払った金額よりも大きいおまけが得られました。同時にコンビニ側は$200ドルを追加で受け取ることができました。
②Dappsを無料にしつつ、マネタイズする
Dapp開発者は、無料のアプリを開発します。ユーザーがそのDappを使って、fUSDCで取引をし、報酬があたったら開発者のウォレットに20%を得るようにすることができます。このように無料のアプリで利用者を増やしながら、同時にマネタイズすることができます。
攻撃への対策
ここまでみると「報酬だけを目当てに、ボットでたくさんトランザクションをつくる攻撃がでてきそう」と自然に考えると思いますが、これに対しては対策を考えているようです。
何かというと、「ガス代やその他の手数料が、攻撃によって得られる利益よりも常に高くなる」ように、報酬を調整するというものです。
ガス代などの手数料によるコスト > 攻撃によって得られる利益
例えば、攻撃者が fUSDCのトランザクションを1000回繰り返して、ガス代が5000ドルかかったとします。攻撃者が得た報酬が5000ドル以下だったら(例えば2500ドルだったら)、攻撃者はこの行為を続けるほど損していきます。
このようにして攻撃インセンティブをさげるのは「Optimisic オラクル」の考え方と同じで、Fluidityのホワイトペーパーでも「Optimistic Solution」と説明されています。
今後の展開
11月中にメインネットでのローンチを予定しています。その後はUtility miningなどのトークン配布を実施したり、他のステーブルコインもサポートしていく予定になっています。