成長企業は、なぜOKRを使うのか?
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概要
内容
mercari、Sansan、ユーザベースなど、飛躍する日本企業が続々導入!グーグル アジア・パシフィックの元人財・組織開発責任者が解説。ケース+ポイント+図解解説でわかりやすい!
著者
グジバチ,ピョートル・フェリクス
ポーランド生まれ。ドイツ、オランダ、アメリカで暮らした後、2000年に来日。2002年よりベルリッツにてグローバルビジネスソリューション部門アジアパシフィック責任者を経て、2006年よりモルガン・スタンレーにてラーニング&ディベロップメントヴァイスプレジデント、2011年よりグーグルにて、アジアパシフィックでのピープルディベロップメント、さらに2014年からは、グローバルでのラーニング・ストラテジーに携わり、人材育成と組織開発、リーダーシップ開発などの分野で活躍。現在は、独立して3社を経営。プロノイア・グループでは、国内外のさまざまな企業の戦略、イノベーション、管理職育成、組織開発のコンサルティングを行う。2社目のモティファイは新しい働き方といい会社づくりを支援する人事ソフトベンチャー。3社目のTimeLeapでは次世代人材を育む教育事業に取り組んでいる。日本在住19年。
第1章 なぜ、OKRを導入すするのか
Case1.「地方の老舗優良企業」がOKR導入を決めた理由(小橋工業)
トップメーカー故に抱える焦燥
先代の社長が強力なリーダーシップで会社を引っ張るタイプだった
下の細々とした部分まで決済に口を出していた
会社の中枢を担う上の意見に従うイエスマンばかりになってしまっていた
これからの時代は、既存事業の枠にとらわれない新たな発想や展開が必要になる
それには、単純な上意下達な体制では対応できない
社長一人が会社を引っ張ると、「社長の能力の限界=会社の限界」になってしまう
1.2.OKR導入の目的はそもそも何か
会社と社員が同じ方向を向いて仕事をする
組織の目標は、何もしなければ決して共有されない
むしろ、各自勝手に判断することでメンバーの行動と組織の目標がどんどんずれていく
会社と社員が同じ方向を向いて仕事をするためには、積極的に目標を周知徹底する必要がある
目標が共有されていないと、組織のメンバーが保守的になる
目標が明確でないと判断基準が曖昧になり、前例や基礎期に縛られるため
第2章 OKRはどのように導入するのか
Case2.急成長企業がOKR導入で「一体感」を取り戻す(hamee)
マネージャー会議で目標を再確認
会社の方向性を確認しようと開いたマネージャー会議では「どのような会社が理想化」について意見が集められた
数チームに分かれて討議し「イケてる」と思う会社を上げてランク付けしたところ、Googleが上位に
「会社の理想像」が見えてきたので、その良いところを取り込みたかった
OKRと1on1が取り込む要素として注目された
OKRが最初からスムーズに機能することはなく、むしろ導入一度目は失敗する
OKRは組織の階層ごとに設定して、すり合わせる
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所属する部門や構成メンバーや横のチームと、OKRをすり合わせる必要がある
会社としての大きな目標と、その下にあるチームやメンバーの目標とが有機的に繋がっていること
しかも全体として齟齬がないことが重要になる
第3章 OKRはどのように運用するのか
Case3.企業のミッションを社員全員で共有する(Sansan)
個人の目標が会社全体につながることを実感させるツール
Sansanには、原則全社員が参加する「S1会議」という朝会議がある
2週間に一度S1会議を実施し、この場で経営層が全体に向けてメッセージを発信する
Sansanも組織が大きくなってきたことによる問題が生じてきた
生産性向上を非常に重視しており、現場に対して多くの定量目標を設定する
しかし、現場メンバーからすると、その定量目標が設定された理由がわかりにくい
OKRとは、個々の社員の仕事が企業のミッションにつながっていることを実感させるツール
個人の目標が会社全体につながることを実感させるツール
OKRを末端まで下ろすにはかなりの時間を要するため、個人までのOKRの設定は現在行っていない
個人までOKRを下ろすのに1ヶ月ほどかかるため、四半期のうち設定だけで3分の1過ぎてしまう
現在は、グループのOKRを設定し、それをグループとして達成するやり方にした
第4章 OKR運用でなぜ1on1が重要なのか
Case4.OKRと1on1の連動で社員の自己実現と学びを実現(プロノイア・グループ)
1on1ミーティングはリーダーが設定する
1on1のセッテイング自体も、メンバーが自ら設定するのを基本としなければならない
メンバーが自らの状況を整理し、気づきを得るために実施するため
第5章 OKRは企業の何を変えるのか
Case5.会社とチームの目標が一致すると「余計な議論」がなくなる(ユーザベース)
ミッション重視の企業カルチャーによく合致
ユーザベースでは職種と等級に基づく給与テーブルが設定されている
そのため、OKRと人事評価は基本的には切り離されている
職種や等級で求められている「こういうことができます」という要件を満たさなければ、昇進も昇給もない
積極的に難易度の高い仕事を引き受ける
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ラーニングアジリティ:「学び始めるはやさ」「切り替える速さ」「学習の速さ」の3つのこと
OKRは積極的に難易度の高い仕事への挑戦を促すことで、ラーニングアジリティを引き出し向上させる
第6章 OKRをもっと活用するために
Case6.「目標の目線」を合わせるツールとして位置づける(メルカリ)
OKRはなるべくシンプルに
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同社のOKRは、組織間あるいは階層間で厳密にすり合わせられているわけではない
あくまで「目標の目線を合わせること」が目的なため
部門ごとやチームごとのOKRは自社開発の管理システム上で確認可能になっている
むしろ「KRがこんな大雑把でいいの?」くらいのほうが、メンバーが大胆に立ち回る下地になる
向いている組織や部署にのみOKRを導入する
OKRが適している組織があれば、KPIやMBOで力を発揮できる組織もある
MicrosoftやAmazonはKPIベースでマネジメントしている
OKRが有効なパターン
イノベーティブな発想を取り込みたい
メンバーの自己実現のために組織が存在する
Visionを浸透させ、共感を前提としてマネジメントしたい
組織/チーム./メンバー間の連携を強くし、支援し合えるようになりたい
KPIが向いているパターン
ノルマを達成したい
社員には品質と生産量の安定のためにルーチンで働いてほしい
ビジョンをトップダウンで徹底させたい
目標管理と人事評価を完全に連動したい
第7章 なぜいま、日本企業にOKRが必要なのか
おわりに
人生を変える質問
1. あなたは仕事を通じて何を得たいか?
2. なぜ、それを得ることが大切なのか?(答えに対し、さらに「なぜ」を3回問う)
3. 何を持って「いい仕事をした」と言えるか?
4. どうして今の仕事を選んだのか?
5. 去年の仕事は、今年の仕事にどうつながっているか?
6. あなたの一番の強みはなにか?
7. 私はあなたをどう支援できるか?