日本のアクティビズムのために
SEALDs牛田氏による振り返り
【日本のアクティビズムのために】
日本のアクティヴィズムのために、ヒントになるかもしれないので、先日あるアクティヴィズムの団体のために行った講演の要旨として、SEALDsの失敗の分析を置いておきます。SEALDsの失敗を端的に言えば「個人主義と健全な組織(化)の欠如」です。(続く)
まず「健全な」というのは組織内部の権力関係についての反省的な視点がなかったこと、「インターセクショナリティ」への意識がなかったことがあげられます。組織内で、構造的に、居心地が悪く感じている人はいないだろうか?という視点の欠如です。(続く)
この構造への意識の上に、さらに組織内でのセルフケア、メンタルケアの重視が必要でした。この社会で矢面に立って戦うと、どうしても傷を負うことになります。そのための最低限の対策が必要でした。それは、来る可能性のある攻撃をあらかじめ想定することと、ケアしあう意識です。(続く)
次に、「個人主義」による「組織(化)の欠如」です。そもそも「個の集まり」であるという建前を作ったことによって、組織としての指揮系統や責任の所在が曖昧になったりしました。組織のメンバーとしての自覚のない人によるスタンドプレーもありました。(続く)
そもそもちゃんと組織がなければ、あるいは組織化しようという意識がなければ、組織内部での構造的な権力関係を反省することも少なくなり、ケアし合う意識も起こりづらいです。さらには、運動内でのなんらかの夜害加害が起きたときの最低限の第三者的な存在がいないことになります。(続く)
結果、たとえば組織内での性暴力について、それが起きた時にどのように対処するべきか? というマニュアルすら作れていなかったような状況でした。端的に言って、安倍政権という組織を批判しながら、足元の組織が疎かになっていたと言わざるを得ません。(続く)
また、アメリカで成功しているアクティヴィズムの実践のリーダーたちが口を揃えて、「組織こそが変える」「組織がない運動は真の運動ではない」と語っているように、組織を少しずつ増やすことこそ力になります。ジョシュア・ウォンに会ったときに何度も言われたのも「組織化!」でした。(続く)
SEALDsも含め、3.11以後の無党派リベラル市民層のアクティヴィズムが一定の成果を出したことは、言うまでもないことです。しかし、これらの運動に一貫して欠けていたものも同じものです。これから日本で社会運動をするときには「健全な組織化」をじわじわ着実にやることが重要と思います(続く)
無論、これはまずなにより私自身の自戒であり、私自身がこれからやっていこうと考えていることです。各自がさまざまなところで健全さを保ちながら組織化し、そして連帯していけたらいいなと思っています。(続く)
要望があれば続きを書いていこうと思います。また、現在アクティヴィズムに参加している方々にたいしては、SEALDsの経験から、細かいノウハウ含めて僕が役立てそうならなんでもお話しますので、個別でご相談ください。(ひとまず終わります)