沖縄文学
沖縄文学は、奄美(あまみ)、沖縄、宮古(みやこ)、八重山(やえやま)の四つの諸島にまたがる地域で生まれた文学の総称で、古代文学と近代文学の二つに分けられる。古代文学とは、沖縄が歴史的出発(3世紀ごろ~6世紀ごろ)をしてから19世紀後半ごろまでの間に琉球(りゅうきゅう)方言で形象された文学をさし、近代文学とは、19世紀後半以後、主として日本的標準語で形象された文学をさす。古代文学と近代文学の間には、歴史の変革に伴う文学の「場」の構造的な変質と、文学意識、および意識の媒体となる言語の改まり(琉球語→日本語)が明らかであり、それらをもって区別の基準とする。ここで古代文学という場合の古代は、近代に対する前近代的な古い時代という意味で用いる。 [外間守善]