TeXシリーズ:非戦闘多目的ヘリ
https://gyazo.com/05c31bdbb39e55a19b605d81ddff2bdf
最近流行りの列車カオスや遊覧飛行をはじめとした、いわゆる「非戦闘鯖」において、
飛行機として見栄えが良く小回りが効き、ホバリングが可能で周りに歩調を合わせやすいマシンとして、
ヘリコプターは最適な選択肢の一つと考え、数ヶ月前から非戦闘ヘリの研究を始めました。
まず前提として、現在までにおける店長製のヘリは全て反トルク機構・角度計スタビライザーを用いた自動制御ヘリです。
スワッシュプレートを作成・調整するだけの技量が私に無い事と、非戦闘用でレギュを遵守する必要がない為、
操作も簡単でヘリ初心者でも作りやすい反トルク制御を採用しています。
スワッシュプレートしか勝たん教の方はくれぐれもご注意下さいませ。
店長「3枚羽ヘリ作りました」
nori「いいゾ〜」
店長「反トルク制御です」
nori「許さないゾ〜」
◆TeX-01
https://gyazo.com/a253bc345ded9ca8abbe630180c76e68
店長ヘリ処女作。ここから全ては始まった。
戦闘機制作で培った圧縮エンジンを搭載し、ローターブレードは長短プロペラとウッドポールで構成されています。
ブレードにはウッドポールに短ペラを埋め込み、外側に長ペラが付いたものを使用し、ウッドポールの頭接続でエンジンのコグに接続しています。
胴体内部にはピッチ・ロール方向の稼働を担う反トルク機構と、着陸脚の格納機構、およびレスキュー用ロープの基部があり、
テールローター部にはヨー操舵用のフライングブロックと、ステアヒンジでピッチ方向に稼働する角度計を設置してあります。
これらを用いて、ピッチ・ロールを常に自動制御として無操作時にはホバリングしつつ、前進・後退時はピッチ方向の角度計を傾けて水平角を変えることで、
自動制御を用いて機体全体を前後に傾ける仕組みとなっています。
また、ローター基部にオーバーフロー水砲を仕込んであり、作動させる事でホバリングモードに移行します。
ローターの回転数は上昇・高度維持・下降の三段階で調節でき、アイドリング時に高度維持となるため、
これと併せてオーバーフロー水砲で機体の揺れを抑え、その場に機体を強力に固定するような高精度のホバリングが可能です。
ただし、この当時はヘリ制作の基本である「ローター中心に重心を合わせる」という事を守れていなかった為、
自動制御ありでも着陸後に後ろに倒れてしまうリアヘビーであった事に加え、角度計の設定も甘く常にプルプルしていました。
またスケーリングに関してド素人であった為、非戦闘用でありながら無駄にバニラで造形しており、
端的に言って見た目がダサい点も、当時の技術力の無さを雄弁に物語っています。
◆TeX-02
https://gyazo.com/42a5238957376c0414ea08946f79b59b
2作目。前作から見た目が一気にヘリっぽくなりました。
基本構造は01と同じローターブレードと反トルク制御機構を採用していますが、重心をローターの中心に合わせています。
また外装にサーフェスを使用し、ラジコンヘリみたいな丸っこいデザインとなりました。
重心をローターの中心に合わせた事で、01と比較してかなり素直に操作が出来るようになり、ホバリングの精度も向上。
さらにサフェ尾翼の空力をオンにし、巡航時の直進性を確保しつつ、低速ではヨー操舵を阻害しないようになっています。
しかし、直進性が上がった事で「高速時に機体が勝手にロールする」という新たな問題が浮上しました。
そもそもシングルローターは左右非対称な構造で、直進時に左側と右側で受ける空力の向きが逆になっているため、
高速になると反トルク制御機構では受け止めきれないロール癖が現れてしまうようです。
対策として反トルク制御機構の回転速度を上げると、今度は姿勢が収束せずプルプル振動するようになってしまった為ボツに。
適宜ロールの表れを見ながら速度を落とすという、慎重な操縦が必要な機体となってしまったのでした。
※尚、本機02はこの後に紹介する03の作成中に、誤セーブにより上書きしてしまい、お亡くなりになられました。
MacでAutoBackupMOD使えないのつらい
◆TeX-03
https://gyazo.com/67b35daaba48243025ba4a33d94608a7
3作目にして現在最新の店長製非戦闘ヘリ。(→4作目完成しました)
この間、後に紹介するマニュアルヘリ子機の開発に力を注いでいた恩恵で、そのノウハウを生かして多くの新技術を投入。
角度計による自動制御やオーバーフロー水砲によるホバリングモード、レスキュー用ロープ等の基本的な機能も継承しつつ、
前作までの機体と比較して飛躍的に(造形以外の)完成度が高まりました。
まずひときわ目を惹くのが、ハの字型に傾いた交差反転式ローターブレード。
02で顕在化した直進時のロール癖という問題を、回転方向の違う二対のローターを搭載する事で解決しつつ、
長大なローターが交差しながら回転するというメカメカしい格好良さ(当社比)を演出します。
そして、反トルク制御機構に自動戻り付きステアヒンジを用いた高精度版を新たに採用しました。
文字では説明しにくいのですが、角度計を自動戻りオン設定のステアヒンジに設置し、角度計が出力するキーを設定する事で、
目標角度付近で角度計をプルプルと振動させ、高速でキー出力のオンオフを切り替える事で反トルク機構の回転速度を下げ、
角度系スタビライザー特有のシーソーのような振動を抑制し、安定して一定角度を保てるようになります。(語彙力)
この構造についてはwikiにも記載があるので昔から知ってはいたのですが、動作角の設定を絞る必要があるという点が分かっておらず、
自分では水平を保てずゆっくりと傾いてしまう無意味な物しか作れなかった為、ずっと避けて通って来ました。
皆様も自動戻り付きの角度計スタビを作る際は、動作角と動作速度の設定に注意しましょう。ヘリの場合だいたい5〜10°制限、速度は0.5以下くらいがオススメです。
https://gyazo.com/6aa1157b6e2c7309f92f763b6fd4d44e
また大きな改善点として、旋回をロール+ヨーで行うようにロジックを変更しました。
今まではヨーのみで旋回・ロールは自動制御だったのですが、この設計だと高速飛行時に様々な問題があり、
・垂直翼を付けた場合:高速域で空力が強すぎて全然曲がれない
・垂直翼を付けない場合:向きは変わるが慣性によって機体が横に流されてしまう
という板挟み状態になっており、今までは垂直翼を気持ち程度に付け、いちいち速度を落としてから曲がっていました。
そこで本機から搭載した高精度な角度計スタビを活かし、ロール方向の角度計をヨーと連動して傾けるように変更し、
旋回時に同じ方向にロールする事で、垂直翼を付けてもしっかり曲がり、その後も流されずに直進できるようになりました。
何よりヘリがロールしながら旋回するのめちゃ格好良いですよね。
さらに、本機からホバリングモードと連携して作動するロジックを用いて、様々な新機能を搭載してみました。
先程紹介したロール機構ですが、ホバリングモード時には旋回キーがロールのみの稼働に変化するようになっており、
通常時はヨーと合わせた旋回、ホバリング時は横向きに移動して位置を微調整できる仕組みになっています。
他にも、通常時はピッチ方向の機体角度変更を担うステアヒンジは自動戻りオフの為、一定の角度を保って巡航できるようになっていますが、
このステアヒンジと連動して動く同設定のステアヒンジを用意し、角度計を付けてホバリングモード時のみオンにする事で、
ホバリングモード時限定で擬似的にステアヒンジの自動戻りをオンにした状態になる事で、機体角度が自動で水平に戻ります。
https://gyazo.com/8391c8072f40e8b3f2cad14253b3e1db
さらにさらに、可動式着陸脚を自動格納するための地面検知センサーを活用した自動着陸機能も搭載しており、
誤操作防止の為ホバリングモード時のみ使用可能な自動着陸キーを押す事で、水平を保ったまま機体がゆっくりと降下します。
自動着陸中は、ループタイマーが作動しローターにパルス入力を送る事で、着陸に最適な一定の回転速度を保ちつつ、
センサーにより着陸完了を検知すると、自動でローター停止・ホバリングモード解除を行い、再離陸準備状態になります。
これにより、狭い場所でも真上視点で着陸場所を見極めるだけで、あとはワンプッシュで安全に着陸してくれます。
とまあ、ここまで超早口で喋り倒してきましたが、如何でしたでしょうか?
実はまだまだ喋り足りない調整箇所もありますが、さすがに冗長になりすぎてしまうのでこの辺りで自重しておきます。
多機能ではありますが操作性自体はかなり気を遣って作ったので、ヘリに慣れない方でも直感的に操作しやすいと思います。
ぜひ一度触ってみて、ヘリ操作の楽しさを体験してみて下さいね。
◆機体データ
https://gyazo.com/236df75ab416edcc8c538ae63512db07
非常に多機能(イキリ)なのでキー操作は画像でまとめました。
とりあえず右Shiftでエンジン始動、ZXで上昇下降、十字キーで移動が基本操作です。
◆TeX-04
https://gyazo.com/3b5659a3a9151f2c12c21288cbb9e3e6
https://gyazo.com/d056f834136015591d073789c12cb232
2022/5に制作した4作目。
TeX-03と同様の交差反転式で、ホバリングモードや自動戻り角度系スタビ、自動着陸機能など多くを継承しつつ、
スケーリング覚えたてだった当時の機体と比較して、造形がより細かく滑らかに進化しました(当社比)。
この造形には、4月に挑戦したぶーぶ(自動車)制作の経験により得た知見が大いに活用されています。
機体下部はまだまだ不慣れながらもブレースキューブで造形し、ランディングギアを隠すように格納できるほか、
各部にもブレースキューブを所々に使用した上で、尾翼まで細長く伸ばしたコアブロックを一本柱としています。
このフレームにより、ブレースキューブによる造形ひとつひとつが機体の強度メンバーとしても機能しています。
https://gyazo.com/bbd4b83032a13e4ed5219c4089d5225e
他にも、交差反転エンジンに用いるコグの見直しを行い、歯飛びによる噛み合わせズレが起こりにくくなったり、
謎に地上を自走できるランディングギア、カオス鯖で速い機体についていくための直進ブースターなど、
様々な新機能もこっそり追加しています。
◆機体データ
キーコンはめんどくさいのでまた後で
とりあえずTeX-03とほぼ同じですが、ホバリングモードがV、ロープのグラバーがB(自動着陸スイッチと兼用)、
空いたCキーに直進ブースターを割り当てています。
◆おまけ①:Pilot-TeXシリーズ
https://gyazo.com/159cc71f97ee1bcc862cd38f85b77ded
実はTeX-01開発終了〜03開発開始くらいの期間に、少し前まで流行っていたマニュアル鯖という場所で使っていた、
ヘリ型マニュアル子機の開発・改良に力を入れていました。
見た目は規定サイズのマニュアル子機にローターをポン付けしただけですが、TeXシリーズと同じ各種機構を一通り搭載しており、
反トルク自動制御機構により安定した操作ができ、オーバーフロー水砲によるホバリングモードも使用可能です。
マニュアル子機という事で、電車や車、船など他の大型機に乗ったり、狭い場所を地上走行する必要があるという点を考慮し、
風船スタビを採用して本体重量を擬似的に軽量化したり、ローターブレードを折り畳んで電車のドアを通過できるようにしています。
しかし、結局のところ風船スタビの効果がマニュアル機の動作を邪魔したり、ブレードが空力でひん曲がって爆散したりと、
普通に周りに迷惑をかけがちな問題児に仕上がってしまいました。
最近では低速なマシンや、電車など十分に大型な機体に乗って遊ばせてもらっています。
こちらも機体データを公開するので、ぜひ触って遊んでみてくださいね。
https://gyazo.com/e895fbc4ed9519472054c10997a4bf43
こちらは十字キーで地上操作・テンキーで飛行操作、右Ctrlでブレード格納といった感じです。
◆おまけ②:TeX-FBT
https://gyazo.com/9cb4e6af3e398167db313df932ea76c7
こちらは上書きセーブで死んでしまったTeX-02の見た目だけを再現したインチキ飛行ヘリです。
極薄一体化スタビ・通称FBTと呼ばれる強力な角度固定スタビを用いたクリエイティブ飛行が可能で、動力のマイナス水砲をステアヒンジでハの字形に傾け角度を変えることで、 0〜450kph間で巡航速度を無段階で調節することができる、遊覧飛行・カオス・空撮向きの機体となっています。
他のTeXシリーズとは異なり常にオーバーフロー水砲が作動しており、マイナス1000倍とかの馬鹿力水砲で無理やり動かしています。一時的にオーバーフロー水砲をオフにすることで10,000kph以上に加速することも可能です。
回転しているブレードは完全に飾りであり、ブレード無しでもヌルヌルと水平飛行します。ヘリとは一体🤔
table:キーコンフィグ
上昇・下降 Z・X or テンキー79
旋回 ⇄ or テンキー46
巡航速度変更 ↑↓ or テンキー85 ※長押しすることで無段階で速度が変わります
ブレーキ・後退 V or テンキー1 ※押している間、補助オーバーフロー水砲が作動・ゆっくりと後退します
オーバーフロー水砲オフ C or テンキー3 ※巡航中に押せば超加速、ホバリング中に押せばゆっくりと下降します
着陸脚グラバー B or テンキー2 ※カオス等で他の人の機体に着陸した際に脚を固定できます
HUD起動 左Shift or 右Shift or テンキーEnter
カメラ切替 1〜5:空撮用カメラ
F or G or テンキー0:トラッキング・一人称
とりあえずZXで上昇下降・↑↓でスピードアップ/ダウン・⇄で旋回といった感じです。
地面検知センサー搭載で、着陸時にはブレードの回転が止まり、自動でオーバーフロー水砲がオフになります。
他のTeXシリーズとは操作感が大きく異なりますが、たぶんこれが一番操縦が簡単です(白目)