TH01〜09開発史:飛行部デビュー 〜 空戦参戦までの軌跡
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飛行部入部を志すにあたって開発を始めた飛行機群で、現在はプロペラ空戦レギュ(150〜200パーツ、プロペラ6枚迄)に基づいた主力機シリーズの開発コードとなっています。
01〜05までが基礎技術の習得期間、06が初めて空戦デビューを果たした第一世代機、
07・08はそれぞれ格闘戦と一撃離脱への特化に挑戦した第二世代機、
09が現在の空戦機としての基礎性能を獲得した第三世代機となります。
THは「Tencho-Hikouki」の略称です。シンプルイズベスト
TH01
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Besiege開始3日目くらいに初めて作った複葉機のようなもの。
当時は風見安定といった大原則はおろか、ピッチ・ロール・ヨーという操舵概念すら分からなかった為、
ピッチ・ヨーのみで地上機のように操作し、ロールは角度計で自動制御するという奇抜な構成。
しかもボックスからはみ出している。
操舵機構にはTlさんの動画を見て学んだピストン式を採用。ステアリングヒンジのRTC機能が実装される前の古い動画だったため、当時の自分はこれが一番メジャーな操舵機構だと思い込んでいた。 ふらふらしながらも一応飛べるのだが、微妙に空力バランスが逆転しており、何の前触れもなく荒ぶって墜落する駄々っ子だった。
TH02
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この段階でもまだロールの概念が分かっておらず、相変わらず地上機のようにピッチ・ヨーのみで操縦しようとする。
その結果「空中では機体がロールしちゃうので車みたいな操縦はできない」という当たり前すぎる事にようやく気づく。
(当時の技術なりに)少しずつ改良が続けられたTH01とは違い、こちらは試験機1機のみで開発終了。
TH03
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再びTlさんの動画を見て、プラモデル感覚で8割型コピーして作った単発プロペラ機。
設計図付きの機体とだけあってちゃんと操縦することが出来たため、開発者のテンションは天元突破。2時間くらいひたすら飛ばして遊んでいた。
この辺りから操舵の基本や風見安定といった土台となる知識が揃い始める。
さらにホイール動力を使用した基本的なエンジン設計も習得し、空戦に必要な速度性能の確保もある程度可能になった。
TH04
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エレベーターを左右別々に動かしてロールしたり、灰鷹さんのツイッターで見て惹かれた展開翼を意味もなく搭載したりと、まだまだ迷走が激しい。
それでも安定して飛べるため、マルチ初参加となる遊覧飛行鯖にも出すことができた。
しかしこの段階ではまだ機体前方に縦向きペラが無かったため、ヨーが全然効かなかった。この原因が分かるのはもう少し先となる。
TH05
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二人の先生の動画を見て培った技術で、空戦デビューを目指して作った逆ガル単発牽引機。自身初となる実戦向けをコンセプトとする機体
……になるはずだったのだが、主翼はプランプランで安定感が皆無、
さらにちょっと旋回するだけで尾翼が飛んでいく珍兵器仕様。
実はまだこの時点では頭接続などの接続学を全く履修しておらず、colliderscopeの見方も分かっていなかった為、剛性が皆無だったのである。
当時は原因が分からず、改良すべき箇所も分からなかった為思い切ってボツにし、同時に開発を進めていた推進機・TH06に空戦デビューを託すことにした。
TH06 -Novice-
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実は先述の通り、牽引機のTH05と並行して開発を進めていたのがこの機体で、これら2機そろっての空戦デビューを目指していた。
しかし05は技術・知識の不足により頓挫、開発が順調に進んでいた06一本の研究に切り替える事に。
見た目は前進翼のエンテ型、斜め設置のエルロンはタイヤさんの高機動機に多大な影響を受けている。
速度は遅いが、丸パクリしたピストン式推力偏向エンジンに加え、エレベーター・カナード同時操作による強力なピッチ性能は、現行の最新機よりも高い(現行機が一撃離脱機というのもあるが)。
さらに機体前方に縦向きペラを置く事を覚え、遂にラダー舵を用いたヨー操作が実用レベルとなった。格闘型寄りの高機動機(当社比)として、初めて空戦に参加する事となる。
もちろんパイロットの経験値がゼロのため全く勝てなかったが、この頃から次第に周りの方々にも名前を覚えられ初める。
松松さんに機体の改善点を直接アドバイス頂いたりした事もあり、今後の機体開発の基礎となる技術・知識・経験を最も多く得る機会を与えてくれた第一世代機となる。
これ以降の機体には、型番の後ろにコードネーム気取りなモノを付けるようになった。
Novice(ノービス):ラテン語で初心者の意。
TH07 -Deuce-
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この機体の開発と同時期に、不定型生物(Amos)さんに「接続学」をマンツーマンで教わる機会があった。
これ以降の機体は、頭接続やブレース終端といった接続の特性をしっかり意識した物になり、
06が格闘戦向けの機動力重視機だった為、その特性をさらに伸ばすべく、
早すぎた技術である三次元推力偏向を搭載した第二世代機として開発された。
結果、めちゃくちゃ曲がるがピーキーすぎて扱えず、パイロットを振り回すじゃじゃ馬に仕上がった。
その一方で、反トルク吸収機構無しのポン付け双発機であった為、パワーもこれまでとは桁違いに高くなり、最高速度も飛躍的に上がっていた。
そこで、推力偏向の動作速度を遅めるロジックを開発し、同時に速度計リミッターをカットする一撃離脱モードに切り替えできる機能を新搭載。
結果、この高速モード中であれば緩やかな旋回と音速越えの速度で飛び回り、格闘戦中の機体に有効弾を当てる事が出来るようになり始めた。
この経験から、空戦経験値が少ない自分でも一撃離脱戦法であれば一定の活躍が出来るのではないかと考え、
次の機体は06・07から一転し、旋回性能は抑えめで速度重視というコンセプトで開発を進めることにした。
Deuce(デュース):双発機の「2」を意味する。
TH08 -Undo-
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▲隣の機体は空から舞い降りる謎の少女「SkyGirl」
これまでとは一転し、一撃離脱機として開発するにあたり3つの新技術を投入。
1点目は謎加速。本機では主翼が全て上下向かい合わせの謎加速ペラとなっている。さらにラダーもAmosさんに教わった謎加速配置を採用。速度重視である一方で強力なヨー旋回も可能になった。
2点目は迎角から水平化したカナードの採用。詳しいことは今もよく分かってないが、要するに
「動翼として動かした時に傾く向き」から水平化したペラを動翼に用いる事で、その方向に旋回したとき謎加速が働いて減速しづらくなるらしい。
これにより、ピッチアップ時も減速しづらく、800〜1000km/hの速度を保ったまま旋回できるようになった。
3点目は二重反転エンジンの搭載。今までは錘式単発とポン付け双発しか使ってこなかったため、本機で初搭載となる。※と思っていたのだがまさかのTH01が二重反転だった。昔の自分すごい
伝達ブレースの本数やペラ角度を試行錯誤するが、動力部直付けのエンジンだった為に外側の反転ペラにだけブレースの慣性によるロスが入り、直付けの内側と回転数に差が出てしまっていた。
それでも二重反転としてはしっかり機能し、エンジン出力も旧型と比較して増大した!(と当時は思っていたのだが……?)
これらの導入で、最高速付近を保ったまま大きく旋回し、狙える機体を奇襲する一撃離脱機としての運用がしやすい機体となったが、
一撃離脱機なのに武装としてFlakを採用した為、1000km/hを超えただけで容易に暴発してしまう本末転倒な事態に。
さらに主翼として謎加速ペラ(しかも長ペラ)を左右で12組24枚も採用し、その24枚全てを内側の丸太1本に接続していたため、
高速になると負荷に耐えられず、一枚ずつ飛んでいって次第に挙動が怪しくなる飲酒運転再現機能まで搭載してしまった。
当時はACM武装が暴発しにくいといった事や、基部の重量と許容接続量の関係などが分かっていなかったが、TH08でそれを身をもって学ぶ事となり、
これらを改善した上で、次世代機TH09の開発が開始された。
Undo(アンドゥ):元に戻すの意。見た目がTH06風のシンプルなエンテ型に戻った為。正直ダサいネーミングだと思っている。
TH09 -Melty-
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これまで学んだ技術を集大成して開発された一撃離脱機で、性能は08までとは一線を画すものになった為、
ここから先の機体は第三世代機として扱うことになった。
さらに見た目も典型的なエンテ型からオリジナルな方向へ変更し、みんな大好きペジテのガンシップ風な横に長い大きな主翼を取り入れ、全翼機のようなデザインになった。
まずは08から学んだ反省点を振り返り、主翼ペラの接続箇所を分散。短ペラを左右から向かい合わせるような配置にすることで、基部にかかる負荷を抑えつつ滑らかで大きな主翼をデザインする事ができた。
また、後述するエンジンが大幅に進化した為、負荷になりそうな謎加速もいったん廃止した(別に負荷になる事はないのだが、当時は何となくそんな気がしていたらしい)。
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▲画像奥が錘式単発、手前が後に搭載することになる二重反転バージョン。
そして最大の進化点は丸鋸圧縮エンジンの搭載。反転エンジンとも言うらしいが、二重反転とごっちゃになるのでここでは圧縮エンジンと呼ぶ。
当時一撃離脱型のスピードスター的な存在であったぶいてぃーさんの機体や、新型のエンテ型を開発したばかりのはむさん等が採用していた、コグと丸鋸で構成されたエンジンに目をつけ、
コグに対して丸鋸を反転させて繋げることに成功し、高出力で軽量な新型エンジンとして本機に搭載された。
こうして開発されたTH09初期型は、主にエンジンの新装による基礎性能の向上により、従来機と比較して飛躍的に完成度が高まった。
空戦でも明らかに生存力が上がり、一撃離脱運用でチームに貢献できる機会も増えた(当社比)。
しかし、同時にパワフル過ぎるエンジンを直付けでフル回転させているせいか、マルチで自壊する初期不良も発覚した為、エンジンを一旦改良する事にした。
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改良型ではエンジンから丸鋸とコグを一枚ずつ削り、ペラをこれまで使用していたひねりペラから横倒しペラに変更。回転数を減らした上で加速力を向上させる事に成功した。
その分最高速度が落ちた為、主翼から一旦廃止した謎加速を復活させ、最高速度も初期型以上のものを確保する事ができた。
しかし、謎加速の採用と錘式単発横倒しペラというピーキーな組み合わせのせいか、高速時の直進性が悪くなり、
特にヨー旋回時、右と左で機種上げ・機種下げ傾向がバラバラになり、操縦がかなり難しくなってしまった。
この原因は左右非対称な単発エンジンにより、空力バランスも左右非対称となってしまう事が原因だと分かり、08で採用していた二重反転エンジンに改造する事で安定性を確保する方向で再改良が施された。
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こうして完成したTH09後期型は、圧縮エンジンの機構はそのままに二重反転化し、比較的左右対称な空力特性を得た事で、
ヨー旋回時の癖はほとんど無くなり、操作性も非常に良い機体となった。
その分、錘式単発と比較して加速度はやや下がってしまった。加えて直付け二重反転特有の内・外ペラの回転数の差も依然残っていた為、まだ完成形とは言えない物ではあった。
これまでは、二重反転は錘式の逆回転ロスを全て推力に変換できるので錘式の完全上位互換だ!!と勝手に思っていたのだが、
本機の開発を通して、二重反転は決して錘式より速いという事はなくむしろその逆で、空力特性を対称的にする事で安定性が得られるエンジンであると学んだ。
こうして第三世代機の初号機となったTH09は、これまでの機体の中で最も長期間に渡って改良が続けられ、
自身初となる主力機と呼べる良き相棒として、長らくtenchoを支えてくれた思い入れのある一機となった。
そしてこの機体に残された問題であった、未だ完成形とは言えない二重反転エンジンを、
さらなる新世代のエンジンに改装した新型機、TH10の開発も水面下で進められていた……。
Melty(メルティ):「溶けそうな」「溶けやすい」の意。初期型のパワフル過ぎる錘式単発エンジンが溶けやすかった為。