組版ソフトウェア
組版:印刷物の紙面に文字や図などの情報を配置していく作業
組版ソフトウェア:組版を実現するためのソフトウェア
概要
組版ソフトウェアは多岐にわたります。
Microsoft WordやAdobe Illustratorにはなじみがあるという方は多いかもしれません。
あなたがレポートや論文をよく書く身分であれば、LaTeXを日々使っているかもしれません。
イケイケソフトウェアエンジニア(適当)であれば、Re:VIEWやTypstをお使いかもしれません。
それぞれのメリットやデメリットはもちろん、あなたが楽に扱えるソフトウェアはなんなのかという観点で選ぶと迷わずに作業できるでしょう。
組版ソフトウェアの選択は、原稿のフォーマットや編集ワークフローにも関わります。
企画から参加者募集の段階で決めておくことが望ましいです。
Office系統
メリット
ほとんどの人にとって触ったことがある
GUI操作で書式・デザインの自由度が高い
デメリット
有料(学生なら大学などでライセンスを包括契約している場合あり)
自由度が高いゆえに、長い文書の書式を「ちゃんと」作りこむのは難しい
意図しないレイアウト崩れを起こしやすい
メリット
ほとんどの人にとって触ったことがある
GUI操作で書式・デザインの自由度が高い
Wordに比べてレイアウトの崩れが起きにくい
デメリット
有料(学生なら大学などでライセンスを包括契約している場合あり)
印刷用途がメインのソフトウェアではないため、印刷まわりの支援が少ない
Google Docs
メリット
無料
Word風操作
GUI操作で書式・デザインの自由度が高い
デメリット
Wordと完全に同等の機能ではない
Adobe Creative Cloud系統
メリット
印刷のための各種機能が充実
デザイン業務でよく使われるため経験者や情報が多い
デメリット
有料(大学によっては使い放題とか……)
組版専用ではないため、痒い所に手が届かない場合がある
使用経験がない場合、習得が必要
メリット
組版専用のため、簡単に品質の高い紙面が作れる
XMLを用いた自動流し込みが可能
デザイン業務でよく使われるため経験者や情報が多い
デメリット
有料(大学によっては使い放題とか……)
使用経験がない場合、習得が必要
オープンソース組版ソフトウェア
テキストデータでソースファイルを用意し、ソフトウェアによって文書形式にコンパイルする形式のものをメインに掲載しています。無料であることは当然なので、メリットに記載していません メリット
論文執筆用途で作られているため、数式がたくさんある原稿には最適
脚注や参考文献管理の機能があり、論文調の文章を書きたい場合にも適している
インストールがだるいと言われているものの、Overleafのようなクラウド環境が整っているため始めやすい デメリット
使用経験がない場合、習得が必要
メリット
書籍を作るための組版ソフトウェアであり、簡単に品質の高い紙面が作れる
PDF以外にもHTMLやInDesign向けXMLなどに出力可能
コラムや数式、脚注、参考文献など使用可能
デメリット
使用経験がない場合、習得が必要
PDFを出力する場合、LaTeXも必要(ただし、Dockerイメージによって導入済みの環境を手に入れられる)
メリット
新しい組版ソフトウェアで、使いやすさを重視して開発されている
デメリット
使用経験がない場合、習得が必要
新しいためにまだ情報が少ない