同人誌即売会
世の中にはジャンルや規模の異なる様々な即売会があります。
選ぶにあたって重要な要素はいくつかあるので、企画にとって最適なものを選びましょう。
これを読んでいるような方には釈迦に説法かもしれませんが、「同人誌即売会 = コミケ」ではありません。
即売会選定で考えること
規模
コミックマーケットのような大規模イベントほど参加者も多く、作品がより広まる機会となる
遠方から参加する人や普段忙しい人でも都合をつけて参加してくれる場合が多い
しかし、巨大であるがゆえに作品を知ってもらうことのむずかしさも生じる。広報に気を付けよう
中小規模のオンリーイベントは、同人誌の種類やジャンルを限定している場合が多い
参加者の目的もイベントの趣旨に揃うことになるため、本のテーマやターゲット層にうまくマッチすれば頒布や交流に有利になる
関東以外の全国各地で開催されているイベントもあるため、移動のしやすさで選ぶのもよい
参加者層と文化
イベントごとに異なる文化や雰囲気があるため、自分の作品や活動スタイルに合った文化のイベントを選ぼう
特に、評論・情報ジャンルの同人誌を頒布する場合、そのイベントで同種の同人誌の頒布実績があるか、評論・情報系サークルが継続参加しているかは気にした方がよい
既に同じジャンルの知人、SNSフォロワーがいる場合は、一緒にイベントに出れば情報交換や交流ができ一石二鳥
開催地と交通費
同人イベントは、どうしても東京や大阪などの大都市での開催が多めになる
例えばコミックマーケットに毎回参加するとして、東京から遠方に居住している場合は交通費と宿泊費だけでかなりの出費となってしまう
全国各地で開催されるイベントもあるため、移動しやすい場所で実施されるものがあればそれにも参加すると負担を抑えられる
日程
サークル参加するからには、同人誌をイベントまでに(実際には遅くとも数週間前までに)完成させている必要がある
学業や仕事の予定も考慮し、同人誌が完成するまでのスケジュールを無理なく立てられるかどうか確認しよう
当たり前だが、自分やサークルの仲間が参加できる日に開催されることも確認しよう
即売会の例
オールジャンル
ジャンルを限定しない同人誌即売会
多数のジャンルが一堂に会するため大規模である傾向がある
圧倒的な規模の大きさから、評論・情報ジャンルでも多数のサークルが集まることが多い。心配であれば過去のサークル情報から似たようなジャンルの本が出た実績があるか確認してみよう
コミックマーケット(コミケ)
世界最大級の同人誌即売会
開催時期・会場:夏と冬・東京ビッグサイト
https://www.comiket.co.jp/
コミティア
オリジナル作品(一次創作)に特化した即売会
開催時期・会場:年4回・東京ビッグサイト
https://www.comitia.co.jp/
文学フリマ
文学作品や評論を中心にした"文学作品展示即売会"
「批評っぽい」本・サークルとの相性が非常に良い
何かの作品・ジャンル・文化を論じる、あるいは学術っぽい要素がある場合はコミケと並んで(場合によってはコミケよりも優先的に)検討すると吉。
コミケでよく見るような評論・情報系のサークルもけっこう出展している
交通・旅行、料理・グルメなど
開催時期・会場:年9回・全国8箇所
ただし、単に「文フリ」といえば文フリ東京(東京ビッグサイト、年2回)のことが多い
規模も東京が圧倒的
https://bunfree.net/
こみっくトレジャー
関西で開催される大規模な同人誌即売会
開催時期・会場:年2回・インテックス大阪
https://www.aoboo.jp/
評論・情報系オンリー
評論・情報系同人誌に特化した即売会
サークル側も一般参加側も評論・情報目的なので、オールジャンルに比べて濃い体験が可能
何を評論と定義するかどうかについては原則ゆるく判断されるが、二次創作の漫画等を持っていきたい場合はふさわしいかどうかよく確認しよう
おもしろ同人誌バザール
インディーズ本や情報系同人誌を対象とした即売会。一部の回はコミケと連動開催される
開催時期・会場:年複数回・東京神保町や大崎など
https://omobaza.com/
技術系オンリー
「技術書同人誌」と呼ばれる、技術解説をメインとした同人誌の即売会
特に情報発信に積極的なソフトウェアエンジニアの間で人気となり、近年大規模化している
技術がテーマである以上、ソフトウェア技術に限らず機械工学や物理学などの同人誌で参加している事例もある
技術書典
技術書オンリーイベント。イベント運営側でも技術の活用に積極的であり、技術書典オンラインマーケットと呼ばれるストアシステムを常時公開している。企業が積極敵に参加してブースを構えているのも特徴
開催時期・会場:年2回・池袋サンシャインシティおよびオンライン
https://techbookfest.org/
技術書同人誌博覧会(技書博)
技術書オンリーイベント。「ITに限らず幅広い技術を取り扱う」「著者と読者がゆとりをもって交流できる」などのコンセプトがある
開催時期・会場:年1回・東京や名古屋など
https://gishohaku.dev/
その他サブジャンルのオンリー
交通(特に鉄道)、旅行、グルメなど規模の大きいサブジャンルではオンリーイベントが開催されることも多い。
たとえば旅行だと「旅チケット」「タビノトビラ」など
作品・ジャンルオンリーイベント
作品やジャンルに特化した同人誌即売会
ある(漫画/アニメ/小説/ドラマ/...)作品・ジャンルに関する本であれば、オンリーイベントも良い選択となりうる
例えば、上記の評論・情報系オンリーでは同じ作品をテーマとする仲間がいなくとも、作品のオンリーイベントであればたくさんいる……というケースであれば後者に参加するとより楽しめるだろう
ただし、オンリーイベントは数え切れないほど存在し、それぞれで規模や文化が全く異なる。評論・情報系サークルの参加実績があるかどうかなど、下調べすることを勧める
以下に挙げているのはほんの一例(多すぎるので……)
博麗神社例大祭
東方Projectに特化したオンリーイベント
開催時期・会場:年複数回・全国各地
https://reitaisai.com/
よんこま文化祭
四コマ系作品複合オンリーイベント(まんがタイムきららが多め)
開催時期・会場:年1回(秋)・神奈川県川崎市産業振興会館
https://www.yonkoma.info/
大学で開催される即売会
学祭などのタイミングで、大学関係者によって開催される即売会
コミュニティが限定されている分、参加のハードルが低かったり、初心者向けの施策が取られている場合もあるので、自分の大学でそうした取り組みがあれば積極参加しよう
コミックアカデミー
東大生による同人誌即売会。東大に存在する様々なサークルや個人の創作が発表される
開催時期・会場:年2回・東京大学本郷キャンパス、駒場キャンパス
https://comiaca.com/