刀剣プレゼン&エッセイアンソロジー『御刀萬語』
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概要
日本刀を発端とした調査まとめ・体験レポのアンソロジー。
2020より年1冊発行
執筆者数
2020年:26名
2021年:21名
2022年:26名
2023年:23名
2024年:20名
2025年:20名(1p原稿参加者3名含)
企画
セツカ:@waterseed_upd(一人主催)
前提条件
執筆者・読者ともに刀剣乱舞プレイヤー層を主に想定した活動である。
女性向けジャンルにおいて評論情報ジャンルは存在が見えにくいが、刀剣乱舞ジャンル内では観察範囲内で10サークル以下ではあるものの調査本を出しているサークルがあった。
また、SNS上に画像数枚の形式やネットプリント形式でまとめたものを発表する例も多数あった。
基本コンセプト
キャッチフレーズとして「『これ好き』『これ面白い』を集めたらきっと面白い」
作りたいものの状態として、日頃TLに流れてくるまとめ類を本の形にして閲覧性を上げたい、とした。
(画像まとめやネットプリントは、TLに上がったそのときには目立つものの、すぐ流れてしまい見つからなくなるため)
運営方針
主催負担をおさえ、無理なく継続発行できるようにする。
記事の質に関する方針
あえて「ゆるいものからガチなものまで」混ざった状態を理想とする。
女性向けジャンル内では評論情報系は多くない。(あったとしても検索の利便性が悪く、埋もれてしまうため見つからず、規模も小さくなりがち)
この企画では質に対して要求しないことで裾野を広げ、新規参入しやすくすることを重視する。
「自称ゆるゆる」でしっかりしたものを書くような書き手が諦めてしまうことを懸念した。
なお、結果的には、簡易なデータ集程度のものから論文一歩手前のものまで幅広く集まり、狙い通りの状態となっている。
旧説・俗説の混入はある程度仕方のないものとみなす旨を主催として宣言した。
時折、不正確な情報を拡散したとして責められるまとめ主がいるが、そもそも刀剣分野は、学術的にしっかり検討されきっていない。また、これを調べておけば間違いはないと言えるような事典類も不足している。
(用語集はあるが、用語定義は愛好団体により異なる。複数巻組の大辞典等も他の資料と突き合せなければ情報の精度が確信できない)
そのため、ある程度は仕方のないことである旨を主催として宣言し、防波堤としての立ち位置を示した。
(もちろん主催が受け取った段階で気付くトピックならばアドバイスは出すが、執筆者の興味範囲は幅広く、そんな話があったのかと驚くようなテーマも多い)
必要に応じて検証できるように参考文献の記載については強く求めた。ただし、最低限度の書誌情報があればよしとし、厳密な記載フォーマット統一は行っていない。
2020発行号の作業スケジュール
2019/6/23 執筆者募集Twipla公開
2019/8/31 執筆者募集締切
ただし、締切前に募集人数満了となり、なおかつ同数程度の方が興味ありのボタンを押していたため、第二号も発行する旨を宣言した。
締切り時点で、執筆者に必要事項のフォーム入力を依頼。一斉メールで事務連絡送信し、受付完了。
2019/10上旬 デザイナーに表紙デザイン依頼
2019/11上旬 表紙デザイン初案受領。修正依頼実施
2019/11末 表紙デザイン第二稿受領。1月中旬に再度の修正依頼として背幅のみ変更をするため下旬に納品してほしい旨を返信。
2020/1上旬 原稿締切。表紙依頼の関係上、原稿が未完成の方にもページ数のみ確定してもらうよう依頼。
この少し前から原稿提出があり、1月中は対応を行った
2020/1上旬 デザイナーに、2/21納品に間に合うための背幅確定デッドラインを確認
2020/2/7 原稿差し替え期限/最終の原稿を受領し、デザイナーに背幅確定依頼
2020/2/8 書店委託の申請
2020/2/10~ アンソロアカウントでの目次・サンプルページ公開
2020/2/18 印刷所入稿
2020/3/3 情勢により、完成冊子の送付先変更
2020/3/8 自宅および営業所に完成冊子到着。書店委託先への手配実施。執筆者に献本送付。
2020/3/15 本来ならば初頒布イベント開催日
2020/9中旬 頒布実績を集計し、執筆者への報告と、謝礼送付
2025発行号の作業スケジュール
(主催の個人アカウントが凍結されたことから、企画アカウントまで連鎖的に凍結される可能性を考えて募集開始を遅らせた)
2024/11/17 執筆者募集開始
2024/12/21 執筆者募集締切・執筆者に必要事項のフォーム入力を依頼。
2024/12/27 執筆者に案内メール送信
2025/3中旬 表紙デザイン作成
2025/5中旬 原稿締切り/原稿チェック作業開始
2025/6/13 チェック完了後原稿の差し替え締切(最終原稿受領は21日頃)
2025/6/28~アンソロアカウントでの目次公開・サンプルページ公開/書店委託手続き
2025/7/13 入稿
2025/8/17 初頒布イベント
2025/12下旬 頒布実績を集計し、執筆者への報告と、謝礼送付
※主催は慢性的な体調不良があるため、締切等は相当余裕を見た日程で告知している。
参加イベント選定
初頒布イベントは、赤ブーブー通信社主催イベントから選定している。
2020発行号の執筆者募集時点では、3月あるいは5月開催イベント中、刀剣乱舞オンリーがあるものから選ぶ旨を示した。
なお、2020/3および2020/5開催のイベントは東京と大阪の開催があったので、この時点で候補は4つである。
その中から、プチオンリー開催状況などを加味して3月の大坂に決定した。
また、執筆検討者からの希望により、類似の、更に狭いテーマ設定のアンソロも続けて執筆者募集を行った。
そちらの発行は2020/5月を想定した。
更に2020/5月の資料系博覧会にも申し込んだ……のだが、コロナ最初期の騒動のため、参加を決めていた3つのイベントはすべて中止となり、初動は通販に頼ることとなった。
2021発行号は、募集開始時点では2020年内の発行想定だったが、原稿執筆期間においてコロナウイルスの影響により書店・図書館・美術館が閉鎖され資料収集の難があったことから延期し、2021/1/10 COMIC CITY大阪での発行とした。
2022・2023は5月SUPER COMIC CITY(東京)、2024は3月のHARU COMIC CITY 大阪での発行。
(これらの出展イベントは、イベント規模を勘案したものではなく、主催が個別に参加したいオンリーを避けた結果の日程。まだ各イベントの規模感をわかっていなかったこともある。)
2025は募集開始が遅くなった結果、8月のGOOD COMIC CITY 31 大阪での頒布開始となった。
なお、8月発行だと、アンソロ作業の発生する時期と、当方主催の刀剣情報系Webイベントの準備時期が重なり不都合であるため、次号からまた5月に戻したいと考えている。
原稿フォーマット
このアンソロジーでは、参加者にPDFファイル形式での提出を依頼している。
元々画像まとめやネットプリントの文化があり、それをまとめた雑誌様のものを想定していたため、レイアウトの統一は行っていない。
(主催の作業環境が世間的に一般的なものでないことや、主催にレイアウトセンスがないことも理由である)
ページ数は、奇数ページ開始(右綴じで左側に来るページ開始)で4pから最大12pまで、増加時には2p単位とした。これにより、各人の原稿はかならず左側のページから始まって右側で終わることになるため、配置が容易になる。
原稿受領からの主催作業は次のとおり
1)プロパティを開き、ファイルフォーマットの確認
用紙サイズが正しいか、フォントの埋め込みがされているかを確認する。
→問題がある場合、ソフトウェアの情報等から修正方法を検索し、修正依頼に添える。これが確認作業の中で最もウェイトを占めた。
2)原稿のフォーマットチェック(余白、参考文献記載、画像の使用ルール、大きな問題のある表現がないか、等)
3)ファイルを共有フォルダに配置し、提出済の方が見られるようにする。誤字を見つけたら主催に教えてほしい旨も伝える
4)原稿の配置順を検討し、仮マージ。これを元に目次を作る。
5)マージ前のファイルにノンブルを入れる。このとき、ノンブル位置に画像や文字がかぶるページはノンブルを省略する。
6)ノンブルを入れたファイルをマージする。
7)入稿
当アンソロジーにおいて、最大12pという制限は厳格に適用した。
それを越える場合は、完全版を個人誌として出した上で抜粋か要約を寄稿用とするよう依頼した。
初号での参加人数の上限26人(主催+25人)という数字は、本文300p以下とするための人数制限と、上限までは書かない参加者もいることを勘案した結果。
印刷所
2020発行号はちょ古っ都製本工房に依頼した。
同社は相当前に予約すれば格安だが、書店への直接送付ができない欠点があり不都合だった。
そのため2021発行号よりおたクラブに変更した。
2020発行号の印刷部数は、事前にとったTwitterアンケートがあまりに大きな数字となったため、通販初動&イベント分としてその半分程度を最初に刷った。
増刷については、一年間必要に応じて対応する旨を事前に案内しており、適宜対応した。
表紙デザイン
2020発行号~2024発行号は、デザイナーに依頼した。既に窓口閉鎖済の業者のため名称は省く。リテイク2回可能なプラン。
執筆者募集が終わった段階で、執筆者名一覧を添えてデザイナーに依頼。
1テイク目で主要なデザイン修正依頼を行い、合せて2テイク目の変更は背幅調整(と、状況により裏表紙の執筆者名削除)のみである旨をお伝え。締切りから逆算していつまでに依頼すれば間に合うのかを確認した。
(締切り日時点で、記事の仕上げができていない参加者には背幅確定のためにページ数の確定だけはしてほしい旨を伝えたが、原稿提出ができるかあやしい参加者がいたため。なお結果的には無事提出いただいた)
執筆者原稿が揃い、ページ数が確定したところで業者に最終のリテイク依頼を提出した。
表紙に配置する日本刀の刀身イラストについては、シルエットが崩れると一気に偽物くさくなるが、専門家でなければ微妙な形状について理解が難しい。
そのため、著作権が切れた写真やCC-BY画像を提供し、トレースする形での描写を依頼した。
また、刃の描写についても、どこまで描写を求めるかの指示を出した。
2025発行号は、業者窓口閉鎖済&費用削減のため、自作した。
売り子
売り子は日頃から依頼している方に加え、過去号を含めたアンソロ参加者の中から募っている。
なお、当サークルの場合、これまでの最高記録でも1日70冊程度の頒布数であり、一人での対応も可能な範囲である。
そのため売り子といっても、実際にはサークル主離席時の交代要員としての依頼である。
また、売り子には必要最低限のつり銭を入れたおさいふショルダーを金庫がわりに渡す形を取っている。(全売上の管理を任せるわけではない。リスク管理)
謝礼はなく少し豪華な差し入れを渡す程度。(女性向けではこの形が通例。相手方へのメリット提供として、先に自身の買物をしてきてOKとしている)
通販
とらのあながメイン、フロマージュ(メロンブックス)とBoothがサブである。
頒布実績数としてはとらのあな>>>>Booth>フロマージュ(メロンブックス)といったところ。
男性向けではメロンブックス>とらのあなだと聞くが、女性向けジャンルにおいてはとらのあな一強である。
少なくとも通販の初動は、Boothによる自家通販だけでは間に合わないため、イベント前の時点で委託申請を行っている。
書店委託価格は、イベント頒布価格に200~250円程度を足した額としている。
設定意図としては、イベント頒布価格+自家通販送料の額とほぼイコールとなるような額である。
実際の受取金額はイベント頒布価格の3/4程度だが、実際にはイベント出展時のほうが経費がかさむため、問題ない計算である。
委託の運用は書店側の運用変更に合せて適宜変えているが、今現在は初動分のみ書店に通常委託、発行日以降の追加は行わず、とらのあなについては定期的に行われている取り寄せ販売に申し込んでいる。
(各種2~3冊ずつ注文が集まるため、あわせると1箱分の量になる。少量であればクリックポストで送付する想定)
謝礼
女性向けの通例からは外れるが、献本1冊+初動が落ち着いた時点の利益を人数割して1000円単位で切り捨てた額のギフトコードを謝礼としている。ただし、公務員等で金券に近い状態で受け取ることに支障がある方には、菓子のセットを贈る等で個別に対応している。
女性向けジャンルのアンソロジーは、通常豪華な装丁にしたりノベルティを多数付けることで利益がないよう調整するのが通例である。
だが、このやり方は非常にハイリスクである。たとえばこのアンソロジー2020発行号の場合、通例に従うならば印刷費だけで35万ほど、ノベルティも考えれば40~50万ほどの出費を事前に行い、そのうちどの程度の額が戻ってくるか怯えて過ごす計算になる。当方の懐事情では不可能である。
当企画はローリスクに持続運営することを最優先し、格安印刷会社を使用した。
また、混乱を避けるため発行後1年は適宜増刷できるよう事前にアナウンスしておくことにした。これはイベントでの対応キャパシティに余裕を持たせるため、そして少なくとも女性向けジャンル内で評論・情報系作品は検索性が非常に悪く頒布はロングテールになるためである。
そういった状況から大量に頒布した場合黒字化しやすい状態にあり、なおかつ増刷も容易となると、執筆者に不公平感が出る可能性がある。
そのため、初動分(3ヶ月程度)の黒字分は分配する対応とした。イベント出展すると経費のほうが大きいため、実質的には通販分をベースにした黒字計算である。
なお、執筆者それぞれが資料収集に相当額を費やしていることを考えると、謝礼額は実際の経費にはまるで足りない額であるというのは添えておく。
端数額と増刷分利益は主催取り分として、布教目的でのイベント出展費用に充てている。
(コロナ渦中で人の少ない状況での赤ブーイベントや、アウェイな場所としての青ブーイベント、コミティア等)
この謝礼方針は、あくまでこの事例のための継続運営と安価な印刷所利用を前提とした上で決めたものである。だがジャンル内での先例となったことで、後から同ジャンル内で別の情報系アンソロジーを主催した方にも同様の手間をとらせてしまったことは反省点である。
献本の追加については、一般頒布価格ではなく、初動での印刷実費で対応した。
画像使用許諾の取得元等への献本は、これを利用して各執筆者から行ってもらった。
なお、献本については基本的に郵送で行うこととした。
当方は音の聞き取りに難があり、イベント当日に名前を聞き取って名簿と突き合せる作業が充分できるか不安があること、本が厚いために献本分合計だけで120サイズ1箱分になりイベント会場内でついでの扱いをするには多すぎることが理由。
(どうしてもという分1~2冊程度のみ会場渡し)
使用ツール
執筆者募集:Twipla、Googleフォーム
名簿管理:スプレッドシート
連絡手段:X(Twitter)、Eメール
ノンブル入れ:pdf_as(フリーソフト)
PDFファイルマージ:CubePDF Page(フリーソフト)
目次・奥付作成:一太郎
2025版表紙作成:花子
通販用サンプル画像抽出:JUST PDF
その他
当アンソロジーは現在年1冊ずつのペースとなっているが、巻号については単純な数字ではなく、干支を利用している。
連続した数字のナンバリングだと、はじめからないなら要らないという方も出るだろうと思われたため。
西暦・和暦でもよいのだが、刀剣のイメージに合わせて十干十二支とした。(日本刀の中には作られた年の十干十二支が刻まれているものがあり、たまに見る表記である)
イベント頒布価格はページ数*10円を500円単位で丸めたものを基準としている。
この値付であれば、必要に応じた増刷が少量でも、頒布価格を変更せずに済むため。
広報の一環として、刀剣×情報系Webイベント「刀剣自由研究展」を主催している。
当方のアンソロジーが対象とするような作品に加え、キャラクターによるハウツーものや、ゲーム内要素の深掘り等もターゲットとする企画である。
Booth内はイベントタグの形で作品の検索ができるようになったため、以前より刀剣関連の情報系作品の閲覧性が増した。
(女性向けだと、カップリングタグの指定のない作品は埋もれてしまいがちであるため、これだけでも影響が大きい)