UX入門編
そもそもUXって?UIとの違いは?エンジニアが知る必要ある?的な疑問に答える勉強会です
そもそもUIとは違うのか?
UI と UX の説明をお願いします
UI (User Interface)
nishiyamayudai.icon アプリケーションの、人間(ユーザー)が操作する部分。制御盤。道具の様式。
tsuzakitakehiro.icon ユーザーにとって見やすいか、使いやすいか
ArakiTakaki.iconかっこいい・おしゃれ 感情的な見た目
Ueyama.icon ユーザーがWebサイト/アプリに見たり触れたりする部分
onuma.icon ユーザが操作するもの。ボタンとか。
tj.icon UI は客観
プロダクトの内側。ex.ボタンの配置、アニメーション云々....
UX (User Experience)
nishiyamayudai.icon アプリケーションを人間(ユーザー)が操作する体験の質。道具の使い心地。
tsuzakitakehiro.icon ユーザーが使ってどう感じたか
ArakiTakaki.icon使いやすいかどうか、操作しやすいなど システム的な部分
Ueyama.icon Webサイト/アプリを通して得る体験そのもののデザイン
onuma.icon 触ったときの使いやすさとか、そういった経験
tj.icon UX は主観
プロダクトの外側。ex.ユーザーがプロダクトを使う前後・使用中の状況、心情
今日一番大事なこと
UX的思考とは
人の行動をプロセスで考えること
その人が置かれた状況を具体的に考えること
この2つを考えられる人は今日からUXデザイナーです
そんなことできない
ものづくりに関わる者として知識だけでも...!!
UXとは
ビジネスシーンにおける「Experience」の存在は、90年代末の時点でそれなりに注目されていました。
スティーブ・ジョブズ:1997年のスピーチでCustomer Experienceについて言及
IDEO:1999年の高速鉄道プロジェクトでCustomer Journey Mapを披露
J.J.ギャレット:『The Element Of User Experience』の原著は2000年刊行
ですが Experience → User Experience → UX と表記が変化し、デザイナーだけでなくビジネスパーソンの間でも注目されるようになったのは2009年頃と言われています。例えばGoogle Trendsで「UX Design」の検索数の推移を調べてみると、2009年ごろから増えていることが分かります。
https://d2l930y2yx77uc.cloudfront.net/production/uploads/images/6199875/picture_pc_3fe085f3398470dff2610682d2b2cb76.jpg
数値は、特定の地域と期間について、グラフ上の最高値を基準として検索インタレストを相対的に表したものです。100 の場合はそのキーワードの人気度が最も高いことを示し、50 の場合は人気度が半分であることを示します。0 の場合はそのキーワードに対する十分なデータがなかったことを示します。(Google Trendsからの引用)
つまりUXという言葉が広まり始めた2010年に何かが起こったということなんですが、これに関して色々な考察をまとめると大きく2つの要因があると思われます
市場の変化
技術の変化
これらを掘り下げて考えていきます
市場の変化
21世紀に入ってからの市場はモノ消費からコト消費 に変化したと言われています
【モノ消費】
個別の製品やサービスの持つ機能的価値を消費すること。価値の客観化(定量化)は原則可能。
【コト消費】
製品を購入して使用したり、単品の機能的なサービスを享受するのみでなく、個別の事象が連なった総体である「一連の体験」を対象とした消費活動のこと
引用:平成27年度地域経済産業活性化対策調査(地域の魅力的な空間と機能づくりに関する調査)報告書
ex)
モノ消費:デカ盛りパフェを食べる
コト消費:デカ盛りパフェをインスタに上げるという「体験」を消費する
(参考)トキ消費:デカ盛りパフェをみんなで食べるという「時間」を消費する
20世紀:モノ(製品)が未熟な時代は、競合他社よりも高性能な新製品を発売すれば消費者の関心を引くことができた
21世紀:モノが成熟してきた。消費者は高性能というだけでは注目しなくなり、特別な体験にこそお金を支払うようになる。
このような市場においては、プロダクトの内側(機能やUI)だけを考えていてはダメで、プロダクトの外側にあるUX全体も考える必要がある
だからと言って昔からコト消費がなかったかと言われるとそうではない
ex:全自動洗濯機を買えば手間が省け、自由な時間が生まれて嬉しいという"コト"
昔と今とで大きく違うのはモノの成熟度
モノクロテレビ => カラーテレビ
4Kテレビ => 8Kテレビ
どちらの方が新しい体験を生み出していると思いますか?
結論として
成熟分野が増えて競合との機能競争の中で製品を進化されているだけではユーザーが満足しなくなった
ユーザーの体験や感情に寄り添った製品・サービスが求められるようになった
この点からUXという考え方が注目されるに至ったと解釈できます
技術の変化
UXという言葉が流行りだした2010年、テック系の大きなトピックスと言えばiPhoneの登場です
https://d3a3a5e2ntl4bk.cloudfront.net/uploads/2020/01/original-iphone.jpg
スマートフォン市場は2000年頃から存在し、当時はBlackBerry等が市場を席巻していました
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/5/56/BBB9780.jpg
Q. iPhoneとそれまでのスマートフォンとの違いは何でしょうか? UX的思考でお答えください
BlackBerry等
takagikatsuya.iconロマン。楽しい。最高。操作感はガラケーと大差なくて、やれることが増えた的な
nishiyamayudai.iconPCに近い(UIというよりもむしろ)UX
onuma.icon 物理キーによる安心感
ガラケーからの移行では物理キーが残っているのが良かったのかも
ArakiTakaki.icon使ったことないのでノーコメントでお願いします。
Ueyama.icon 電卓みたい
ihachihiro 持ち運べるpc
小型のPC。つまり根幹には椅子と机がある屋内で座りながら使うもの という制約が存在している
iPhone
umamichi.icon タッチUIによる操作、大きいディスプレイによるグラフィック、視覚体験
morooka.icon 不要な物理ボタンの撤廃・必要な時にユーザーが必要とするものだけを表示させて直感的に操作できるように
ArakiTakaki.icon 画面が大きい・ディスプレイのみなため拡張性に富んでいる・操作が開発者に委ねられる
nishiyamayudai.icon 物理でない(=インタラクティブな表現ができる)アイコンボタン
tsuzakitakehiro.icon iPhoneからほとんどをアプリを起動して操作
Ueyama.icon 説明書を保たずともなんとなくわかる直感的な操作
利用シーンの制約がない。いついかなる状態でも使用することを想定した設計。
これによってiPhoneに載るアプリケーションは機能だけでなく、使われる状況や前後の体験の流れを考えて設計しなくてはならなくなった。
この影響はソフトウェアやアプリケーションに止まらない。
以前:限られたチャネル、限られた接点でしか情報を取得できない
以後:睡眠時間以外は情報と接触している
情報との接触機会が大幅に増加したことにより、マーケティングの手法も変化せざるを得なくなった。
結論
スマートフォンを起爆剤とする人々の情報行動の変化によって、プロダクトやサービスを成功させるためにはUXをきちんと考えて戦略を練る必要がある、という認識に至ったと考えられる
まとめ
私はプロジェクト初期の設計段階において、UXを考慮することが最終的な成果に直結すると考えています
みなさんも開発者の思考ではなくUX的思考でそういった場に参加してみると面白いと思います
おまけ
UXを考える上で役に立つツール・説得力が増す考え方
Customer Journey Map
ペルソナ
人間工学
参考
誰のためのデザイン?をまとめた。
なぜUXという言葉は広まったのか
UXの社内勉強会で私が伝えたかった2つのこと