写真を上手に撮る方法
撮影前の3点
カメラのオート機能が発達した現代では、カメラの扱い方よりも、撮影前の準備にこそ注力すべきです。本項では大学生活で必要な写真撮影(実験レポート、制作物の記録、証明写真など)で注意すべき3点を解説します。
1. 何を撮るかハッキリさせましょう
漫然と撮影すると、写真も漫然としてしまいます。まずは何を撮るのかを明確にしましょう。
モノを撮る(ブツ撮り)
モノだけを撮る
モノを使っている光景を撮る
人を撮る
ヒトそのものを撮る (証明写真、ポートレイトなど)
アクティビティを撮る (スポーツ、演奏など)
場所を撮る
インテリアを撮る
建築物を撮る
実験環境を撮る
など
2. 意図しないものが写り込まないようにしましょう
鑑賞者の注意を撮りたいものに惹きつけるため、状況や環境を十分整えましょう
モノを撮る場合の注意点
モノに傷や汚れがあるときは、あらかじめ補修と清掃を行いましょう
白い平面を背景に撮影すると、撮るべきモノが際立ちます
白い壁や机がない場合は、白い模造紙を用意してもいいでしょう
白いモノを取る場合は、灰や黒などコントラストがつくものを背景に選びましょう
場所を背景にすると、モノの利用シーンを想起させることができます
モノを使っている光景を撮影する場合は、モノに相応しい利用者を選びましょう
☓ 高齢者用の杖を、大学生が使っている (ミスマッチ)
☓ 高齢者用の杖を、高齢者に変装した大学生が使っている (ふざけているように見える)
○ 高齢者用の杖を、高齢者が使っている (つっこみどころがない)
人を撮る場合の注意点
髪型や化粧、服装が乱れていないか注意しましょう
背景となる環境にも気を払いましょう
ポートレートの場合、雰囲気の良い場所を探す(ロケハン)が特に重要です
ゴミゴミした場所しか用意できない場合は、被写界深度を利用してボカすのも方法です
場所を撮る場合の注意点
インテリアは、特別な意図がある場合を除き、整理整頓したうえで撮りましょう
それでもゴチャゴチャする場合は、カメラの映らない位置に不要物を移動させましょう
景色や建築物は、特別な意図がある場合を除き、人や不要物が写り込まないようにした上で撮りましょう
人がいない時間帯(早朝など)を狙うと良いでしょう
3. 光と影に気をつけましょう
光量
人間の目には明るくても、カメラにとっては暗いという状況が多々あります。特に日没後の室内は、天井からの照明では十分な光量が確保できません。日中の窓辺で撮影する、撮影用の照明(クリップオンストロボなど)を利用するなど、光を集める工夫をしてください。
クリップオンストロボの例。外付けフラッシュとも呼ばれます。
https://cweb.canon.jp/camera/eos/accessary/images/detail/1957c001/img03.jpg
最近では1,000円くらいでライトボックス(照明付き簡易撮影ブース)を買うこともできます
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61UFMn4LHWL._SL1100_.jpg
カメラの内蔵フラッシュは立体感にかける写真になりやすいので、おすすめしません
光源の位置
光源(太陽や照明器具のこと)と被写体の位置によって、撮れる写真が変わります
https://ptl.imagegateway.net/contents/original/glossary/img/166_front.jpg 順光 (光源が被写体の前)だと、影はないが立体感がない
https://ptl.imagegateway.net/contents/original/glossary/img/166_side.jpg 斜光 (光源が被写体の横)だと、陰影が出て立体的になる
https://ptl.imagegateway.net/contents/original/glossary/img/166_back.jpg 逆光 (光源が被写体の後)だと、輪郭が輝く
構図とフレーミング
構図とは?
・被写体を利用した画面構成のこと
フレーミングとは?
いい構図を作るために、カメラと被写体との距離、カメラと被写体の角度(アングル)、レンズの画角などを変更すること
カメラアングルによる違い
https://ptl.imagegateway.net/contents/original/glossary/img/083_high.jpg ハイアングル (俯瞰)
https://gyazo.com/db176d620fd87a7e2a8fc43c394dd46b ローアングル (仰望)
画角による違い
被写体が同じ大きさになるように撮影しても、望遠レンズの場合は背景が近くなったように写ります(圧縮効果)。
https://ptl.imagegateway.net/contents/original/glossary/img/082_wide.jpg 16mmで撮影 (広角)
https://ptl.imagegateway.net/contents/original/glossary/img/082_tele.jpg 200mmで撮影 (望遠)
良い構図とは?
安定感がある
三分割
https://ptl.imagegateway.net/contents/original/ippo/sakuhin/kozu/img/chap02_1.jpg
二分割
https://ptl.imagegateway.net/contents/original/ippo/sakuhin/kozu/img/chap01_2.jpg
シンメトリー
https://ptl.imagegateway.net/contents/original/ippo/sakuhin/kozu/img/chap02_4.jpg
奥行きがある
放射構図
https://ptl.imagegateway.net/contents/original/ippo/sakuhin/kozu/img/chap03_3.jpg
U字構図
https://ptl.imagegateway.net/contents/original/ippo/sakuhin/kozu/img/chap03_1.jpg
余白がある
https://ptl.imagegateway.net/contents/original/ippo/sakuhin/kozu/img/chap03_4.jpg
などなど
悪い構図とは?
主役がなにかわからない
広角レンズやズームレンズで適当に撮るとなりやすい
不要なものが見切れている
水平と垂直が考慮されていない
迫力もなく、安定感もない
まずは基本の三分割法を習得しましょう
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/ce/Rivertree_thirds_md.gif
良い構図を身につけるには?
まずは、いい写真、いい映画、いい絵画を見て目を肥やし、真似して撮影してみましょう。
黒澤明の構図
https://www.youtube.com/watch?v=doaQC-S8de8
スタンリー・キューブリックの構図
https://vimeo.com/48425421
小津安二郎の構図
https://vimeo.com/55956937
https://www.youtube.com/watch?v=2upKl3W-lWw