倶楽部
概要
ヴィクトリア朝期には、中上流階級に属している人々は、趣味を同じくする者同士で『倶楽部』と呼ばれる組織を創り出しました。それぞれの倶楽部では、自由に使える会員専用のメンバーズルームや図書室を備えた倶楽部ハウスが運営されています。そしてそれぞれの倶楽部に属すクラブ会員は、自分達の城である倶楽部ハウス(小さな倶楽部だと倶楽部ルーム)を維持するために、会費を納めねばなりません。しかし、この『選ばれた者』といった意識は、貴族や他の上流階級の人々の虚栄心を満足させるのに十分なものです。 倶楽部には大小さまざまなものがあります。大きな倶楽部では立派な倶楽部ハウスに一流のコックを抱えている所もあります。上流階級に属する有閑の人々の中には、昼頃このような倶楽部ハウスに来て、新聞を読んだり、チェスやカードを楽しんだりしながら午後を優雅に過ごすという日常が過ごされています。このような大きくて立派な倶楽部は倫敦の中心部にある、ペル・メル街に集中しています。もちろんこのような倶楽部に入会するためには、場合によっては厳しい審査が存在し、会費も高いものです。高級なクラブの代表といえば『リフォーム・クラブ(革新倶楽部)』が挙げられます。これにはフィリアス=フォッグ氏という、かつて80日間で世界を一周した人物や、グラッドストンなどの著名な政治家が会員となっています。小さな倶楽部では『素人乞食倶楽部』や『大砲倶楽部』、『地下探検倶楽部』などさまざまなものがあり、はた目から見るとただの奇妙な集団であることもあります。 主な倶楽部
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