主人と女中が砒素による中毒死か
TDL.icon ウィルド街に住むリチャード・ラーソン氏が、女中のメアリー・タッカーとともに死んでいるのが発見された。部屋には二人分のお茶の用意がしてあり、その紅茶から砒素が検出された。 ウェスコット商会で航海士をしていたラーソン氏は、引退後に倫敦で生活していた。家族はなく、家政婦と死んだ女中のメアリーの三人だけで住んでいた。家政婦はこの日、親類の見舞いのため不在だった。
家政婦が帰宅すると、家の玄関は鍵がかかっていたが女中が部屋にいないことから、ラーセン氏の部屋へ向かい、二人が床に倒れているのを発見した。商会の古い知り合い以外、ふいに訪ねてくるような者もいないため、何者かが侵入したと思われるが、お茶を出すような来客の予定は家政婦の知る限りなかったという。
ラーソン氏のお茶好きは良く知られており、自分で飲む分は自ら保管していた。家政婦と女中のお茶は別となっており、用意されていたお茶はラーセン氏の特にお気に入りのお茶だったという。
倫敦警視庁では、外部から侵入した形跡がないため、交友関係を中心に捜査している。また、一部の関係者からは心中ではないかとの意見もあったが、その必要性について疑問があり一蹴されている。 関連記事
/icons/hr.icon