ベルギーの自転車レースで勝利者の影に仮想人格
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TDLimg.icon ベルギーのワロン地方で先日行われた自転車レースで、イギリス人のジャスパー・ゴドウィンが優勝した。距離200マイルで行われたこのレースの本命は、地元のヤン・ファンアールス。しかし、ゴドウィンはファンアールスに10分以上の大差をつけて勝利した。この日が初の本格自転車レース参戦となる25歳の若者の勝利は驚き以上の疑いをもって迎えられた。地元警察のエルキュール・ポアロ警部は、ゴドウィンが長距離のレースを走った後にも関わらず疲れた表情を見せていないことや、レース中に飲んだ飲料ボトルから、仮想人格の発動に必要とされる成分を検出したことから疑いを持った。 ポアロ警部は、誰か有力選手の仮想人格を導入したのではないかとの疑いをもった。しかし、そのような仮想人格でも疲労のないことの説明はつかないことから、疑いはさらに深まった。
地道な捜査の過程で警部はある情報をつかんだ。医療用に用いられる仮想人格を使用することにより、身体の状態を制御することができるというものだ。ジャスパーもその様な仮想人格を使用しているのではないかと考えた警部は、ジャスパーが頻繁にフランスの医師ダンテ・ニコルズをたずねていたことを突き止めた。ニコルズは、違法な仮想人格に関わっていると噂される人物だ。
警部は慎重な捜査により、ニコルズが、ゴドウィンの仮想人格を作成し、ニコルズ自身に導入していることを突き止めた。
この仮想人格は、ニコルズが全く疲労していない身体を記録しており、ニコルズはレース中に疲労を感じると、補給用の飲料に入れた薬物により仮想人格を発動させた。そのため、他の選手よりも疲労を感じることなく、その能力を発揮して勝利した。
しかし、現状では、自分の仮想人格を作成し自分に導入することに違法性はなく、また、競技規則的にも他人のものではなく自分の仮想人格を使用することは、他者の援助をうけたわけではないので、違反とすることは難しいという。
敗れたファンアールスは、最後のミュール(壁の様な激坂)でも、奴は涼しい顔をしていた。この様な方法がまかり通るようであれば、どんな競技も意味をなくしてしまうと表明した。
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