STREET
STREETは、元来「古代ローマ人のつくった道」(a Roman road)の意味であり、古代ローマ人にとっては「岩や小石を敷いてつくった舗装道路」のことであった。1世紀末から5世紀初めの間がイギリスでは「ローマ・ブリテン時代」と呼ばれているが、この間にローマ軍団はブリタニアを制圧し、内乱や外部民族の攻撃に備えて、各地に軍団の駐屯地を置き、そこには都市を建設し、堅固な石造りの市壁で囲んだ。
そして、これらの都市の間を軍用道路で結んだのである。
Streetという語を含むこれらの軍用道路がやがて舗装道路という一般的な意味で用いられるようにり、「幹線道路」とか「街道」というニュアンスで使われるようになった。
この種の街道として有名なものにウォットリング街道(Watling Street)があるが、この街道名の中にStreetという語の元の用法が残されている。 さらに現在では、古い都市の小さな通りも Street という名称を持つことが多く、ロンドンの Clink Street, Mitre Street, Widegate Street などは狭い通りである。