デンマークの義務教育
デンマークの義務教育の自由
デンマークでは、1814年までは義務教育制度が存在せず、親たちは家庭で子供を教育するか、国からの資金援助があるオルタナティブスクールを設立するために協力できる親たちを探すしかなかった。 そして1814年、フォルケホイスコーレ(公立学校)法によって義務教育制度が始まった。
各地方のオルタナティブスクールは、義務教育としての条件を受け入れて公立学校となった。
しかし、宗教や政治を教育の目的とする学校は独立学校いわゆる私立学校となった。
1915年の王国憲法改定により、教育の自由が明記された。現行憲法は1953年に改正されたものであるが、教育の自由は1915年の王国憲法以来明記されている。この憲法によって保証された教育の自由が、公立市立を含め、すべてのデンマークの教育の基本理念にあると言える。この教育の自由が憲法に明文化される運動にも、グルントヴィの思想は大きく関わっていた。 デンマークの教育は、歴史的に、親と子供と学校の三者で作り上げていく物だという考え方がある。したがって、親の教育の権利と義務も当然とされ、親代表が学校理事会の構成員となっているなど、学校運営にも親の意見が大きく反映されている。また教育は国が無償で提供することが前提となっていることから、前述したように、私立学校においても7割程度の財政的な支援がなされている。
私立学校が高額な教育費が必要だという感覚ではなく。公立、私立ともに子供と親が教育の権利として選択できるという環境になっている。学習環境に合わない場合は、公立から私立、または逆の転校も自由にでき。要望があった場合は、自治体あるいは私立学校はできるかぎり受け入れることが法的に定められている。
現在のデンマークの義務教育概要
現在の義務教育は、6歳から16歳までの10年間の継続教育である。
公立および私立学校によって提供され、初等教育は幼少移行期としての0学年と1学年から6学年の7年間、中等前期教育は7学年から9学年および10学年までとなっている。
この10年間は公立学校であるフォルケスコーレと私立学校、そして継続学校であるエフタースコーレによって構成されている。また、公立学校、私立楽器う、自宅での教育の選択は条件が満たされている限り、教育をどこで受けるかについては自由で、学校教育は強制されている物ではない。事実、少数ではあるが、学校教育ではなく、家庭教育で教育を受けている子供たちもいる。