村上春樹
1949(昭和24)年、京都府生れ。早稲田大学文学部卒業。1979年、『風の歌を聴け』でデビュー、群像新人文学賞受賞。 主著に『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『ノルウェイの森』、『アンダーグラウンド』、『スプートニクの恋人』、『神の子どもたちはみな踊る』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』、『1Q84』など。 2006年にチェコのフランツ・カフカ賞を、2009年にイスラエル最高の文学賞・エルサレム賞を受賞。『グレート・ギャッツビー』、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『ロング・グッドバイ』など訳書も多数。
名言一覧を残している。記憶の再収集に使える。
村上研究所
海辺のカフカ
国境の南、太陽の西
ダンスダンスダンス
世界の終わりとハードボイルド
上巻で疲れて、一度休止中
1973年のピンボール
アフターダーク
「人間ゆうのは、記憶を燃料にして生きていくものなんやないのかな。その記憶が現実的に大事なものかどうかなんて、生命の維持にとってはべつにどうでもええことみたい。ただの燃料やねん。新聞の広告ちらしやろうが、哲学書やろうが、エッチなグラビアやろうが、一万円札の束やろうが、火にくべるときはみんなただの紙きれでしょ。火の方は『おお、これはカントや』とか『これは読売新聞の夕刊か』とか『ええおっぱいしとるな』とか考えながら燃えてるわけやないよね。火にしてみたら、どれもただの紙切れに過ぎへん。
ノルウェイの森
文庫
映画
俳優が大根役者で表情・情景が杜撰だったが、村上小説の概要は忠実に表そうとした努力が見られるが2010年の現代日本人には長くくどい村上作品を見続けられないだろうし、ゴダール的な映画を作れる監督も予算も手に入らなかっただろうから無念だなという印象。映像は杜撰だったらから音声だけを聞き、村上文学の貴重な音声を噛み締めている。振り返る、思い返すというルックバック的作品だが、小説を噛み締めていると映画はしょうもないと感じた。
女のいない男たち
2014
とにかくすべてをちゃらにし、まっさらの人間として、東京で新しい生活を始めたかった。…そして僕にしてみれば、関西弁を捨てて新しい言語を身につけることは、そのために必要な実際的な(同時に象徴的な)手段だった。結局のところ、僕らの語る言葉が僕らという人間を形成していくのだから。 P79
おそらくこれまでの自分とは違う、別の人格になりたかったんじゃないかな。 p103
[]
何か違う人格になりたくて私は違う言語を使うんだ。言語学、発生方法や文化が異なるから人格が変わるのではない。私がそうな暫定はからそうなんだよ。 @Tatsuki
時間の使い道は人によって少しずつずれているのかもしれない。 p104
普通の神経を持ち合わせた人間はなかなかそこまでやらない・・・でも僕の見るところ、僕の知る限り、たとえあんまり普通のは言えなくても、お前はそうすることで、特に誰にも具体的に迷惑をかけていない。
同感
もっとわかりやすく言えば、渡会は彼女たちにとって常に気楽な「ナンバー2の恋人」であり、便利な「雨天用ボーイフレンド」であり、あるいはまた手頃な「浮気の相手」だった。...それ以外の、たとえばパートナーとしての責任分担が何らかの形で求められるような男女の関係は、常に渡会を落ち着きの悪い気持ちにさせた。…肉体は結局のところ、ただの肉体に過ぎないのだ。...自分と合っているときに、彼女たちが自分のことだけを考えてくれれば、渡会としてはそれで十分だった。それ以外の時間に彼女たちが何を考え、何をしているかなんて、それはひとえに彼女たちの個人的な問題であって、渡会がいちいち思いなすべき問題ではない。口出しするなどもっての他だ。P131
ガールフレンドたちとの別れはほぼ定期的にやってきた。…そういうときには、彼は値のはる結婚祝いを買ってやり… P133
渡会にとって、同時に二人か三人の「ガールフレンド」を持つのは当たり前のことだった。彼女たちにはそれぞれ夫や恋人がいるので、そちらのスケジュールが優先されたし、...だから何人かの恋人を同時にキープしておくのは、彼にとってあくまで自然なことであり、とくに不誠実な行為には思えなかった。
やがて哀しき外国語
村上春樹のアメリカ生活体験記と称して良いだろう。
梅干し弁当お断り
反日思想や行動をユーモアと毒づきながら庶民に伝えやすい文章を作る才を感じた。お見事。
読後録
2年間のアメリカでの生活を描き、自由という名の元、日本よりも人付き合いやプリンストンなら新
品の派手な車はインテリは使わない。外国製のビールを飲めのような「当たり前」が存在する。そ
の枠にハマれば何も問題は起きないが、果たしてそれは自由なのかイコゴチがいいようにはわ
たしはおもえなかった。