自然主義
自然主義とは、19世紀後半に広がった文学や芸術の思想・創作態度で、現実を理想化せず、社会や人間、自然をありのままに描こうとするものです。科学の発達や社会の矛盾の増大を背景に、フランスを中心に広まりました。日本では、日露戦争前後から明治時代末期にかけて盛んでした
現実主義:理想や虚構を排し、現実をありのままに描写しようとする。
科学的アプローチ:社会や人間を科学的に分析し、その法則性を解明しようとする。
宿命論:人間の意志や行動は、遺伝や環境などの要因によって決定されるとする。
人間の本性:欲望や本能など、人間の内面的な部分を赤裸々に描く。
自然主義文学の代表的な作品はフランスだと、エミール・ゾラ『居酒屋』『ナナ』、ギュスターヴ・フロベール『ボヴァリー夫人』、モーパッサン『脂肪の塊』など。
日本:島崎藤村『破戒』、田山花袋『蒲団』、国木田独歩『武蔵野』、正宗白鳥『何処へ』など。