死海文書
Dead Sea Scrolls
1947年頃、死海(イスラエルとヨルダンの間にある塩湖)近くの洞窟で発見された古代文書群。紀元前3世紀〜紀元1世紀ごろに書かれたとされ、旧約聖書の写本や宗教的な注解、共同体の規律などが含まれる。
旧約聖書の写本
旧約聖書(ヘブライ語聖書)のほぼ全巻(エステル記以外)が発見された。これによって、2000年以上前に使われていた聖書の原型を知ることができるようになった。
聖書の注解(ペシュリーム)
旧約聖書の預言書(イザヤ書やハバクク書など)を解釈した注釈。
当時の共同体が、自分たちの歴史や信仰を聖書に当てはめて理解していたことが分かる。
共同体規律([セクト文書)
この文書群を残したとされる宗派(クムラン共同体、一般的には「エッセネ派」と考えられる)が守っていたルール。
例:「共同生活の規則」「清浄の規定」「祈りの方法」「祭りの日付」など。当時のユダヤ教の中でも、かなり厳格で独自な宗教生活を送っていた様子がわかる。
讃美歌・祈りの文書
詩編のように、神を賛美する祈りや賛歌。個人や共同体が神に祈る言葉が残っている。
終末思想的な文書(戦いの書など)
「光の子」と「闇の子」が最後に戦い、神が勝利するという黙示録的な世界観。
→ 新約聖書の「黙示録」や、初期キリスト教の終末思想にも影響を与えた可能性がある。