信念対立を解消する思考法としての「現象学的還元」
現象学的還元を機能させると、この順序が逆になるのである。つまり、主観に現れている様子が原因で、ここから世界の存在について確信を抱くという結果が現れると考えるのである。
現象学的還元を信念対立へと押し広げていくと、世界観についての信念を絶対的なものとして前提にするのを止め、なぜそのような信念が成立したのか?という信念成立の条件を問うことになる。そうした問いから、信念成立の条件が自覚されるなら、ただひとつの信念があるという素朴な確信にとどまることはできなくなる。なぜなら、条件が変われば正しいと確信する信念も変わることが意識化されるからだ。このとき、はじめて世界観の相互承認という可能性が開かれることになる。
引用: