野生の思考
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構造主義の祖であるクロード・レヴィ=ストロース🇫🇷著(1962年) 未開地を観察し、具体的な事物から構造へと体系立てるための神話的思考が発達していると主張
具体的な事物を生み出した近代西洋の歴史を観測し自己の説明を試みた実存主義を批判した
知的操作と観察方法
抽象語の豊富さは文明語のみの特徴ではない
北アメリカのチヌーク語
世界は、欲求充足の手段であると共に、少なくともそれと同じ程度に思考の対象なのである
体系的な展開をしている知識が、単に実用性のみに由来するものでない
ex) キツツキの嘴にさわれば歯痛が治るかどうかが真の問題ではなく、何らかの観点でキツツキの嘴と人間の歯を「一緒にする」(物と人間をまとめて世界に一つの秩序を導入する(=秩序づけの要求))
分類整理は、それ自体が分類整理の欠如より価値を持つものである
「呪術的思考」と科学の関係とは
科学的現象における「因果性の真実」を、全面的に含んでいるという解釈
一方で呪術的思考は、技術・科学の一段階ではなく、それそのものが体系として独立している
神話的思考と科学的認識
知覚(≒聴覚映像≒心象)と概念の中間に存在
一般的な社会条件の変動に引っ張られてどちらの方向にも動きうる
科学
構造(仮説と理論)を用い、出来事を産み出して成果を作る(構造→出来事)
(p.28)出来事の残片や破片を組み合わせて構造を作る
(p.42)すでに使われた物を分解して取っておく(出来事 ⇄構造)
組織化の要請が双方ともに存在する
芸術的創造
ある集合(事物+出来事)から出発してその構造の発見に向かう(出来事→構造)
問題意識
出来事の構造の統合で芸術の全てが成り立つのか?→考察される美術のタイプに限らず成り立つ
出来事=偶然性の一つの様式
美的感動
構造への統合によって生まれる
全体の認識が部分の認識に先立つ
神話(物語としての神話)
(p.33)神話は構造から出発して、集合(事物+出来事)の構成を企てる(構造→出来事)
いずれも科学から等距離に位置する
神話的思考は実用性(科学と相似)
トーテム的分類の論理
経験的にのみ成り立つ必然性の諸条件を見出すのは困難である
歴史の目で見ると無理
器用人の視点で目的な論理の観点には類似性を見いだせる
社会学的解決法
それを説明するのに内容ではなく形式を重視すべき(特定の客観的条件に結びつかないのに出現頻度が高い)
矛盾の材料よりも矛盾があるという事実が重要
オセージ族なら 対立するこの二つの型の主張(一方は共時的、他方は通時的)はおそらく出発点になった
そのうちのどちらかを選ぶ(建築の比喩)のではなくて、両者を平等に受け入れ、構造の観点と出来事の観点を二つながら取り込めるような一つの図式を作り上げようとするだろう 自然条件はそれ自体では存在しない
住民の技術及び生活様式次第で変わる
論理に属するタイプの現実を神話で説明するための手段