啓蒙思想2.0
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P.130
この件は、社会契約論という、第一世代の啓蒙思想家とほぼ全員が共有していた政治問題へのアプローチの出現に最もはっきりと見て取れる。この理論は私たちに、制度的な束縛やルールがが全くない。すなわち国家も。法律も、経済も、教育制度も多くの場合には家族すらもない「自然状態」をまずイメージさせる。そのあとこれらの制度を白紙の状態から、ゼロから再建できるとしたらどうする?と問いかけてくる。こうした既存の制度を脳内で一掃することから現実に一掃することまでは、さほど大きな飛躍ではなかった。そしてフランス革命から二十世紀の共産主義革命まで、合理的または科学的原理に従ってゼロから国家と社会を再建したいという欲求が広がったのである。