押出しファイリング
経済学者の野口悠紀雄さんが『「超」整理法』で提唱された情報の整理法です。山根式と同じくひとまとまりの情報を封筒に入れ、その封筒に名前(見出し)を与えますが、その並べ方が違っています。山根式は「あいうえお順」に並べますが、押出しファイリングでは「使用時期の時系列」に並べます。 まず封筒を新規作成したら、棚の一番右に置きます。情報を参照するために棚から封筒を取り出して、また戻すときも一番右に置きます。そのようにして「作ったもの・使ったもの」を「あいうえお」順など関係なくどんどん右端に置いていきます。
※左右は逆でも構いませんので適宜読み替えてください。
それを続けていくと、最近使ったものは右側に集まり、最近あまり使っていないものは左側に集まります。参照頻度をキーにして、情報が半ば自動的にソート(整列)されるのです。
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ここで考えたいのは、よく利用する情報には偏りがある、ということです。仕事とは連続的なものであり、たいてい昨日使った書類やデータを今日も利用することが多いのではないでしょうか。逆に一年間使わなかった情報は次に使われる可能性がぐっと低くなります。
そのような傾向を念頭に入れると、押し出しファイリング式で整理すれば、仮に封筒が二百個あっても、情報を探すときにそのすべてを確認する必要はほとんどありません。右側からチェックしていけば八割程度はすぐに見つけられます。
また、保存した情報を処分するときにも、この整理法は効果を発揮します。情報を処分する難しさは、情報の重要性が判断しにくいことに起因しますが、左の方に「押し出された」封筒はしばらく使っていないものであり、今後も使われる可能性は低いと判断できます。
たいへん強力な整理法ではありますが、仕事の種類によっては役に立たないばかりか、逆に非効率になってしまうこともあります。特に、定型業務を繰り返すような仕事であれば、ファイルは常に同じ場所に置いてあった方が探しやすいでしょう。