山根式袋ファイル・システム
ジャーナリストの山根一眞さんが発案した情報整理システムです(タスクの情報は扱いません)。ひとまとまりの情報(資料)を角形2号の封筒に入れ、その封筒にインデックス情報を書き込んだ上で、棚に「あいうえお順」に並べていく手法です。文化人類学者の梅棹忠夫さんも〈一件ファイル〉という似た手法を紹介されています。 情報を入れておく角形2号の封筒はかなり大きいので、雑誌の切り抜きや新聞、原稿用紙やハガキなどをひとまとめにできます。その封筒に「カレーのレシピ」や「給与明細」といったインデックスを書き込めば、情報のパッケージングは終了です。
そのように〈封筒化〉して保存した後に、「あっ、カレーのレシピが必要だ」となれば、インデックスを「カ行」からチェックしていくことで、カレーレシピの切り抜きを集めた封筒が見つけられるという寸法です。
この手法のポイントは、〈情報の規格化〉にあります。すべてを角形2号の封筒に入れておくことで、封筒一つが〈情報の単位〉となります。そして、その封筒が断片的な情報たちの居場所となります。言い換えれば、断片的情報にアドレス(住所)を付与するわけです。
規格化せずに保存してしまうと、統一的なアドレスが生まれず、あちらこちらを探し回らなければいけません。「住所」という概念が存在しない世界の郵便配達を想像してみてください。おそらく悲惨なことになるでしょう。情報を規格化し、アドレスを付与することで、情報は劇的に探しやすくなります。
さらに、「インデックスを書き込む」ことも大切です。インデックスを書き込むには、「これは何か?」を考えなければなりません。その自問への答えが、情報を後から引き出すキーとなります。「カレーのレシピとして保存した」という事実が、「カレーのレシピを探す」という行動を生み出すわけです。
封筒によって情報にアドレスを与え、インデックスを書き込むことによって情報を引き出すための連想を作り出す。この整理法にはそのような効果があります。この特性から言って、日付に関係する情報ではなく、アーカイブやデータベース的な情報を扱うのに適した方法と言えるでしょう。
日本語で簡単に手にはいる情報源は書籍にはほとんどありません。解説があるウェブサイトのURLを代わりに掲示しておきます。