プロジェクト判断の属人性
たとえば、実際に取れる行動が漠然としていてわかりにくいタスクがあったとしましょう。それを注意深く観察し、細かく分割しながら、具体的に取れる行動を明らかにしていくとき、はじめの漠然とした「達成したいこと」がプロジェクトと呼ばれ、分割された細かい行動がプロジェクトに属するタスクと呼ばれます。 言い換えれば、ある行動を複数のタスク群に分解したときに、おおもとの行動がプロジェクトとして扱われる、ということです。よって、何を持ってプロジェクトとするかに均一な基準はありません。人によって判断は変わってきます。>
たとえば「企画書を提出する」というTodoが発生した場合、歴戦のビジネスパーソンならそれをタスクとして扱えるでしょう。企画書を提出するまでの手順が完璧に頭に入っているからです。その人にとって「企画書を提出する」はひとかたまりの行動であり、いちいち分割して検討する必要がありません。しかし、仕事を覚えたばかりのビジネスパーソンではそうはいかないでしょう。「企画書を提出する」というタスクを見ても、実際に取れる具体的な行動が思い浮かばないからです。そういう場合には、タスクを〈プロジェクト化〉し、どんな行動がそこに含まれるのかを検討した上で、自分にできる具体的な行動を明らかにしなければなりません。 まったく同じ行動であっても、ある人にとっては〈プロジェクト〉となり、別の人にとっては〈タスク〉になることがあります。つまり、何をプロジェクトとするのかには、属人性があります。ポイントは、実際に取るべき具体的な行動がすぐに思いつくかどうかです。思いつくならば、そのままタスクとして扱えますし、思いつかないならプロジェクト化あるいは〈チェックリスト化〉が必要でしょう。
他にも慣れていない行動、時間がかかりそうな行動もプロジェクトとして扱うのが適しています。