乗法的関数とEulerのファイ関数
Abstract
Explanation
以下では, 数論的関数の集合を$ \mathcal{N} = \{ f \colon \Z_{>0} \to \mathbb{C} \}と書く. $ \mathcal{N}に加法$ +とDirichlet畳み込み$ *を定義し, $ \mathcal{N}は環をなしていると考える (詳細は数論的関数とDirichlet環を参照). 乗法的関数
乗法的関数を以下で定義する.
Definition (乗法的関数, 完全乗法的関数)
数論的関数$ f \in \mathcal{N}が乗法的 (multiplicative) であるとは, $ f \neq 0であって, 互いに素な正整数$ m, n \in \Z_{>0}について$ f(m n) = f(m) f(n)が成立することをいう.
また, 数論的関数$ f \in \mathcal{N}が完全乗法的 (completely multiplicative) であるとは, $ fが乗法的であり, 任意の正整数$ m, n \in \Z_{>0}について$ f(m n) = f(m) f(n)が成立することをいう.
References
T. M. Apostol, "Introduction to analytic number theory", Springer-Verlag, 1976.
中村 憲, 『数論アルゴリズム』, 朝倉書店, 2009.