ダイアログ
ダイアログとは?
端的に言うと「お互いの理解を深めるためのコミュニケーション方法」です。組織が学習し、高いパフォーマンスを得るための手法として、近年注目されています。
情報の移動・流通の効率化だけでは不十分
それら (=メール報告、ビデオ配信など) によって実現されるのは「情報の移動・流通の効率化」であり、より深いコミュニケーションが可能になったわけではありません。
情報技術の発達によってコミュニケーションは深まったのか?
一方通行の情報の移動がやりやすくなっただけ
人はコミュニケーションの中で意味を紡ぐ生き物
社会構成主義の根幹にある考え方は、「物事の意味とは客観的事実ではなく、社会的な構成物である」という主張です。ここでいう「社会的な構成物」というのは、「人々の社会的なコミュニケーションによってつくられたもの」という意味にとらえてください。
あくまでも意味は人々のコミュニケーションから作られる
例えばワインがボトルに半分入っていても、「まだ半分ある」「もう半分しかない」と意味はズレる
「客観的事実そのもの」と「客観的事実に対する意味づけ」は別のもので、特に後者のプロセスに注目していくべき
対話とは?
「対話」とは、「客観的事実」と「意味づけ」の関係に焦点を当てる社会構成主義的な視点をもちつつ、相互理解を深めていくコミュニケーションの形態と考えられる、ということです。「人間同士の間にコミュニケーションが成立すること」は、ふだん考えているよりも、ずっとずっと難しい行為であることを私たちは認識したほうがよいでしょう。
一人称を大切にしないと対話にならない
私を前面に出した一人称的発話のやりとりの中で、今まで気づかなかった新たな意味が生み出され、物事の理解が深まったり、新たな視点や気づきが生まれたりする。このような状態を「対話」と呼ぶのです。
議論をしているとすぐに三人称で語りたがるが、これでは評論家的な議論になってしまう
「私は〜思う」「私は〜したい」「私は〜の経験をした」これで OK。
質問するときはその個人的な経験や信念について知りたいから質問するようにする
勝ち負けを決める議論などではない
前提となる選択肢を探るとか、評価基準を再吟味するなどの方向に話し合いをしていく
結論を出したり、意思決定を下したりすることが目的ではない
対話の効果
協調的な問題解決が可能になる
問題を様々な側面からみて解くべき問題を見極める能力があがる
対話を通じてその場にふさわしい問題設定を共同で意味づける
知識の共有が進む
個人よりも組織の中に知識が流通してそれを活用できるようになる
組織の変革につながる
対話によって、一人一人が会社のミッションやバリューに意味づけを行っていく
そうした積み重ねが組織文化を作り、組織の変革につながる