20230105
実は今日が初日だった。手に職をつけていれば、思ったよりも身体に、というか魂に刻み込まれているものだな、と思った。
テレビ東京「カンブリア宮殿」のカンデオホテルズ回が傑作選として配信されていたけど、この会社はすごいな。緻密な研究をもとにコンセプトを練り上げたホテルを創り上げてることもすごいのだが、この会社は組織づくりが素晴らしい。言い方が微妙だがニュアンスを失わないためにもそのまま言うが、この会社は最初にメンバーに信頼を与えることから始まっている。そこから、信頼されたことに対する返礼としてメンバーが自然と貢献を狙う文化の醸成につながっていたり、さらに会社の問題を自分ごととして捉える影響を生んだり、それが何より高品質のホスピタリティとして現場のサービスに還っている。それに、採用時に学歴職歴、年齢や性別、そして国籍が不問であり、現場から叩き上げて取締役になった方もいるらしく、そういったロールモデルがきちんと実現できていることも会社の姿勢を信頼する一端になっている。コロナ禍で売上の不振にあえいだときにも、雇用形態に関わらず誰ひとりメンバーを解雇しないことを社内で宣言し、その前提で危機を乗り切るためのアイディアを募った。これも信頼と自分ごと化へのポジティブな相互作用が生まれている、と思う。これは偶然の産物なのか、緻密な設計の結果なのか。いずれにしたって、ここまで信頼を好循環させることを体現できている組織は素晴らしい。改めて、この会社はすごい。この話はいわゆるGoogle re:Workの「効果的なチームとは何か」を知るで語られている話と同様だ。ここで語られていることを雑に要約すると、効果的なチームをつくるには心理的安全性を構築した上で相互信頼やその上の積み上げを狙う、という旨であって、結局はそれを形づくる信頼のポジティブなループは何から生まれるかというと、単に自分が相手を信頼し始めることからなのだ。信頼できることがないから信頼しない、というのは、ただただ打算的に考えてしまっていて信頼のポジティブループの起点を失っている。それに明らかに他者の動きに依存していて、自発的ではない。現代の組織論は、いや古来から組織論というものは、どんなシステムかなんて二の次であって、そこにいる皆をいかに信頼する勇気を持つか、そしてそこにいる皆が信頼するに値するということを皆自身に実感してもらうことなのだ、ということを目の前に突きつけてくれる事例だった、とカンデオホテルズの件を観て思ってしまった。なにこれ書籍でも書けるんじゃないのわたし。