製鋼スラグの粒度分布
takker.icon製鋼スラグの粒度分布を教えて。とくに粒径10mmから2mmの質量分率を知りたい NotebookLM.icon
製鋼スラグ(カルシア改質材としても使用される)の粒度分布は、その種類や用途によって様々ですが、一般的には広範囲の粒径を含む連続的な分布を示します。
以下に、各ソースで言及されている製鋼スラグの粒度分布に関する具体的な情報を示します。
一般的な特徴:
カルシア改質土の骨材として用いられる製鋼スラグは、細粒分から粗粒分まで幅広い粒径を含む不均一な材料として分類される可能性があります。
フレッシュなカルシア改質土は、流動部分(浚渫土砂)と骨材(カルシア改質材)の2種類の材料で構成されており、骨材は粒状材料である製鋼スラグです。
具体的な粒度分布の例:
最大粒径が40mm程度: 実際の施工に用いられる転炉系製鋼スラグは、最大粒径が約40mmのものが使用されます。図で示された粒度分布では、非常に細かい粒子から40mmまでの範囲で連続的な分布が見られます。
最大粒径が26.5mm程度: ある研究では、最大粒径が26.5mmの転炉系製鋼スラグ(炭酸化処理されたものを含む)が骨材として使用されました。これらのスラグは、26.5mmから0mmまでの粒度範囲を持ち、特定の配合(例: 26.5~5mmの製鋼スラグと5~0mmのコンクリート用細骨材の混合)で粒度分布が調整されています。
最大粒径が60mm程度: また別の研究では、0-5mm、5-25mm、0-40mm、0-60mmといった異なる粒度範囲の製鋼スラグが検討されています。
0-5mmの製鋼スラグは、D50(中央粒径)が1.05mm、均等係数Ucが20.67mmです。
0-40mmの製鋼スラグは、D50が5.8mm、Ucが19.05mmです。
5-25mmの製鋼スラグは、D50が12.0mm、Ucが2.46mmです。
0-60mmの製鋼スラグは、D50が7.0mm、Ucが25.00mmです。
D50が0.437mm~1.310mmの範囲: 遊離石灰含有率や細粒分含有率(0.075mm未満の粒子)が異なる複数の製鋼スラグ(A, B, C, D)が使用され、D50が0.437mmから1.310mmの範囲でした。細粒分含有率は0%から30%に調整されています。これらのスラグは一般的に0.1mmから約5mmの範囲に主な粒径が分布し、一部は10mmまで広がっています。
高f-CaOと低f-CaOのスラグ: 2種類の製鋼スラグ(遊離石灰:f-CaOの高含有と低含有)が使用され、いずれも約40~50mmを最大粒径とする連続的な粒度分布を示しました。低f-CaOのスラグの方がわずかに粗い傾向が見られました。
改良材の種類による違い: ある研究では、「改質材1」と「改質材2」という異なるカルシア改質材(転炉系製鋼スラグ)が比較されました。「改質材1」は「改質材2」に比べて粒径5mm以下の割合が多い(すなわち、より細かい)という違いがありました。
粒度分布が特性に与える影響:
製鋼スラグの細粒分は固化反応(c材)によってピーク強度向上に寄与し、粗粒分は粒子骨格形成による摩擦成分(φ材)として粘り強さに寄与すると考えられています。
通常のカルシア改質土程度の製鋼スラグ混合率で粘り強さを確保するためには、中間粒度を除いた製鋼スラグ(例えば、細粒分0-5mmと粗粒分26-40mmの組み合わせ)を用いることで、目標性能が得られることが示されています。
製鋼スラグの細粒分含有率が数%程度の変化であれば、混合土の強度に大きな影響を与えないと考えられます。ただし、積極的な強度増加を目指す場合は、製鋼スラグの細粒分を特化して使用することも可能です。
配合試験と実施工で使用する製鋼スラグの粒度分布に大きな違いがないことを確認する必要があります。
takker.icon粒径10mmから2mmあたりの質量分率はおおむねどのくらい?
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製鋼スラグの粒度分布における粒径10mmから2mmの質量分率について、各ソースの図から読み取れるおおよその値は以下の通りです。
一般的にカルシア改質材として用いられる転炉系製鋼スラグ(最大粒径が40mmや60mm程度のもの)の場合、粒径10mmから2mmあたりの質量分率は、おおむね20%から35%程度となる傾向が見られます。
いくつかの具体的な例を挙げます。
「カルシア改質土における骨材効果の評価を目的とした基礎的研究」の炭酸化製鋼スラグの粒度分布図からは、10mmで約80%通過、2mmで約60%通過しており、この範囲の質量分率は**約20%**と推定されます。
「カルシア改質土の原位置混合工法の混合性向上に関する実験的検討~装置の改善検討~」の改質材(最大粒径40mm程度)の粒度分布図からは、10mmで約65%通過、2mmで約35%通過しており、この範囲の質量分率は**約30%**と推定されます。
「カルシア改質土の原位置混合工法の適用範囲拡大に関する検討」の改質材1(最大粒径40mm程度)では10mmで約75%通過、2mmで約50%通過しており、この範囲の質量分率は**約25%と推定されます。また、改質材2(最大粒径40mm程度)では10mmで約65%通過、2mmで約35%通過しており、この範囲の質量分率は約30%**と推定されます。
「カルシア改質土の強度発現予測のためのカルシウムとシリカの溶出試験法の提案」で示されている複数のカルシア改質材(製鋼スラグA~F)の粒度分布図からは、10mmから2mmの範囲に約20%~30%程度の質量分率を持つものが多いことが見て取れます。
「カルシア改質土の流動性に関する解析的検討」の製鋼スラグ0-40mmおよび0-60mmの粒度分布図からは、10mmから2mmの範囲に約30%程度の質量分率が含まれると推定されます。
「製鋼スラグ混合土の配合・混合条件がその力学特性に与える影響について」で用いられたf-CaO高含有および低含有の製鋼スラグの粒度分布図からは、10mmから2mmの範囲にそれぞれ**約30%と約35%**の質量分率があると推定されます。
「湾岸関連民間技術の確認審査・評価報告」に示されている従来のカルシア改質材およびカルシア改質材(Type-R)の粒度分布図からは、10mmから2mmの範囲にそれぞれ**約35%**の質量分率があると推定されます。
ただし、特定の粒度調整がされた製鋼スラグの場合、この範囲の質量分率が大きく異なることもあります。例えば、「製鋼スラグと浚渫土を混合した粘り強い地盤材料の開発」で示されている粒径5mm~25mmの製鋼スラグは、10mmで約90%通過、2mmで約10%通過と、この範囲に**約80%**もの質量分率を持つ非常に粗い材料として示されています。
一方、「転炉系製鋼スラグ混合粘性土のせん断強度発現に及ぼす物理・化学的要因」で用いられた製鋼スラグは、最大粒径が約4.75mmであるため、10mm以上の粒子は含まれていません。このため、この資料では粒径10mmから2mmの範囲に0%の質量分率となりますが、2mmから4.75mmの範囲であれば、その種類や細粒分含有率によって5%から20%程度の質量分率を持つものがあります。
これらの値は、図からの読み取りであるため、おおよその目安となります。実際の製鋼スラグの粒度分布は、その種類、製造プロセス、および用途に応じた粒度調整によって様々です。