製鋼スラグと浚渫土を混合した粘り強い地盤材料の開発
抄録
昨今,国土強靭化の重要性が認識され,港湾構造物等に粘り強さを持たせるための検討が行われている.
まず,三軸圧縮試験により,拘束圧や製鋼スラグの粒径・混合率が強度や粘り強さに与える影響について整理し,製鋼スラグの細粒分はピーク強度に,粗粒分はピーク後の粘り強さに寄与することを示した. また,高強度と粘り強さの双方を得るには,製鋼スラグの混合量が大きい方が有利となる結果が示されたが,浚渫土の有効活用の観点からは好ましいとは言えない.
そこで,一般的なカルシア改質土における製鋼スラグ混合率と同等の範囲で,中間粒度を除いた製鋼スラグと浚渫土の配合を提案し,目標性能が確保できることを示した. 目次
1. はじめに
2. 目標性能とその評価基準
(1) ピーク強度
(2) 残留強度比
3. 製鋼スラグの粒径や混合率の影響評価
(1)検討条件
(2) CUB試験結果と考察
a) 拘束圧の影響
b) 製鋼スラグの平均粒径$ D_{50}の影響
c) 製鋼スラグの混合率の影響
(3) 試験結果のまとめ
4. 中間粒度を除いた製鋼スラグ混合土の三軸圧縮強度特性
(1) 検討条件
(2) 検討結果と考察
5. おわりに
参考文献
4) 田中裕一,高将真,今村正,渋谷貴志,山越陽介,赤司有三,北野吉幸,菅野浩樹:カルシア改質土による海面埋立,土木学会論文集B3(海洋開発),Vol. 70,No. 2,I_888-I_893,2014. code:bib
@article{杉村2021,
title={製鋼スラグと浚渫土を混合した粘り強い地盤材料の開発},
author={{杉村 裕二} and {篠崎 晴彦} and {赤司 有三} and {松村 聡} and {水谷 崇亮} and {森川 嘉之}},
journal={土木学会論文集B3(海洋開発)},
volume={77},
number={2},
pages={I_427-I_432},
year={2021},
doi={10.2208/jscejoe.77.2_I_427}
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