GNH-2023S-レポート4!.@2023-12-01D30@23T09:00D30
軟弱地盤の掘削にともなう地盤災害について概説せよ
heaving,boiling (soil),盤膨れにあることをまとめ直した
軟弱地盤において土留め壁を用いた掘削工事をする際、以下の地盤災害が発生するおそれがある
heaving現象
boiling現象
盤膨れ現象
周辺地盤の変形
土留め壁の崩壊
heaving
現象
背後地盤が主働土圧状態になりすべり破壊することで、掘削底面の膨れ上がり・土留め壁のはらみ出し・背後地盤地表面の沈下をもたらす現象
掘削底面付近が柔かい粘性土地盤であるときに起こりやすい
対策
すべり面の剪断抵抗モーメントを増やす
根入れ長さを増加
ヒービングの恐れのない深さ、または硬質層まで土留め壁を根入れ
掘削底面下の地盤改良
掘削底面以深の軟弱地盤を地盤改良して土の非排水剪断抵抗力を確保
掘削幅が大きい断面にて、全体を一度に掘削せずに、分割して掘削することで、抵抗力が急に減らないようにする
すべり面に作用するモーメントを減らす
背面地盤の盤下げ
裏込土をすき取ることにより、荷重を軽減
boiling
現象
背後地盤と掘削底面との水頭差で発生する透水力と掘削底面の有効重量との釣り合いが崩れ、掘削底面から沸騰したように噴砂し、土留め壁が転倒破壊する現象
地下水位の高い砂質土地盤で起こりやすい
対策
土留壁の根入れ先端での掘削底面側の有効土被り圧が透水力を上回る状態にすればいい
根入れ長を増加
ボイリングの恐れのない深さ、または不透水層まで土留め壁の根入れを延長する
土留め壁の下に地盤改良で止水壁を造成
土留め壁の根入れ長を延長する代わりに、地盤改良により地下水の回り込みを防止
背面側の地下水位を低下させる
掘削底面以深に地盤改良により不透水層を造成
掘削に先立ち掘削底面以深の透水層を地盤改良して固結し、不透水層を造成
盤膨れ現象
現象
難透水性地盤でできた掘削底面の下に被圧帯水層があるときに発生する現象で、被圧帯水層の水圧に掘削底面地盤が耐えきれず膨れ上がってしまう
対策
被圧帯水層の水圧を下げる
地下水位を低下
ディープウェル工法などで被圧帯水層の水圧を低減
土留め壁を被圧滞水層の下の不透水層に根入れ
不透水層に作用している水圧を遮断するためにその下層の不透水層まで土留め壁の根入れを延長
不透水層の下の透水層の下に不透水層があれば、そこまで杭を根入れすれば下から水圧がかからなくなる
土留め壁の下に地盤改良で止水壁を造成
土留め壁の根入れ長を増加する代わりに、被圧帯水層を地盤改良で造成
地盤改良で、実質根入れを増やしたような状態にする
掘削底面の有効土被り圧を増やして水圧に対抗する
地盤改良
掘削底面以深に地盤改良により不透水層を造成
掘削に先立ち掘削底面以深の盤ぶくれを生じない深さに透水層を地盤改良により不透水層を造成
難透水層の厚さを増やす
水を入れて重量を増やす
以上に示したのは掘削底面の地盤災害とその対策だが、
周辺地盤の変形
掘削に伴って背後地盤が変形することで、埋設管や住居などの近接構造物に影響を与える場合がある。
heavngの対策に加え、土留壁自体の変位を抑える対策が必要になる
土留め壁の崩壊
2. 地盤災害として拓都があげた3つの他に次のものがある。
① 周辺地盤の変形
掘削に伴って周辺地盤が変形することによって,近接構造物(道路,埋設管,建屋など)へ影響・・・
この場合の対策は,山留め壁の変位を抑えること。
② 山留め壁の崩壊とそれに伴う周囲への影響
軟弱地盤においては山留め壁の変位が大きくなりやすく,山留め壁の崩壊に至る事故がしばしば起きる。
掘削工事中に山留め壁や周辺地盤の変位および支保工の変位と応力などを計測し,設計値を超えるようであれば施工方法を見直しながら工事を進める。
#2023-11-30 11:01:46