非晶質シリカ含有率を測定する
溶出試験(NaOH法)?で測定する?
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非晶質シリカ含有率の測定方法は、粘性土に含まれる非晶質シリカの量を定量するために、主に2つの選択溶解試験によって実施されます。本研究では、これらを無機非晶質シリカと生物由来非晶質シリカとして定義し、それぞれ異なる試料に対して測定を行っています。
以下に、それぞれの測定方法と、最終的な非晶質シリカ含有率の算出方法を詳述します。
1. 無機非晶質シリカの定量方法
1. 試料の準備: 乾燥後粉砕した試料を50 mg用意します。
2. 溶解: この試料をステンレス製ビーカー(500 ml)に秤量し、0.5N NaOH (水酸化ナトリウム水溶液) 50 mlを加えて2.5分間煮沸します。
3. 補正: 煮沸により蒸発した水分をイオン交換水で補正します。
4. 分離: 遠心分離を行い、上澄み液を採取します。
2. 生物由来非晶質シリカの定量方法
1. 試料の準備: 乾燥後粉砕した試料を200 mg用意し、遠沈管に入れます。
2. 前処理(過酸化水素と塩酸による処理):
10 %H2O2溶液 5 mlを遠沈管に加え、約30分後に1N HCl溶液 5 mlを加えます。
遠沈管を30分間超音波処理にかけます。
その後、20 mlのイオン交換水を加え、遠心分離を行い、上澄み液を取り除きます。
3. 乾燥: 残った沈殿物を60 ℃で一晩乾燥させます。
4. 溶解: 乾燥後の遠沈管に2M Na2CO3溶液 40.0 mlを加え、よく撹拌します。
5. 静置: 85 ℃の恒温槽に5時間静置します。この間、恒温槽に入れ始めてから約2時間後と約4時間後によく攪拌します。
6. 分離: 恒温槽で5時間静置した後、遠心分離を行い、上澄み液を採取します。
3. 溶存Si濃度の計測
上記1および2で抽出した各上澄み液は、以下の手順で溶存シリカ濃度を計測します。
1. ろ過・希釈: 上澄み液を0.45μmのフィルターでろ過した後、100倍に希釈します。
2. 機器分析: 100倍希釈した溶液の溶存シリカ濃度を、**発光分光分析装置質量分析装置(HITACHI, SPS3520UV-DD)**を用いて計測します。
4. 非晶質シリカ含有率への変換
計測された溶存シリカ濃度は、以下の4つの式を用いてSiO2換算非晶質シリカ含有率に変換されます。
上澄み液の溶存シリカ濃度(CSi)の算出:
CSi [ppm] = (CSi’ [ppm] - CBLK’ [ppm]) × 100
CSi’: 100倍希釈溶液の溶存シリカ濃度
CBLK’: ブランクの溶存シリカ濃度
上澄み液のSiO2換算溶存シリカ濃度(CSiO2)の算出:
CSiO2 [mg/L] = CSi [ppm] × (60.1 / 28.1)
60.1: SiO2の分子量
28.1: Siの原子量
試料1gあたりのSiO2換算非晶質シリカ含有量(Si mg/g)の算出:
Si [mg/g] = CSiO2 [mg/L] × Vsol [L] / Ms [g]
Vsol: 抽出に用いた溶液の体積(無機非晶質シリカの場合は0.05 L、生物由来非晶質シリカの場合は0.04 L)
Ms: 試料質量
SiO2換算非晶質シリカ含有率(Si mass%)の算出:
Si [mass%] = Si [mg/g] × (1/1000) × 100
測定上の留意点
本研究では、無機非晶質シリカと生物由来非晶質シリカの定量試験をそれぞれ別の試料に対して実施したため、無機非晶質シリカの定量時に生物由来非晶質シリカも抽出されてしまった可能性があると指摘されています。より正確に両者を区別して計測するためには、まず生物由来非晶質シリカの定量を行い、その後に残った試料に対して無機非晶質シリカの定量を行うべきであるとされています。
#2025-09-14 17:21:54